2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Emergence of Foreign Entrepreneurs and Their Entrepreneurial Process to Bring about the Suburbanization of Foreign Residents Concentrated Area
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21K20182
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
高松 宏弥 武蔵野大学, アントレプレナーシップ学部, 講師 (10909162)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人集住地域 / 外国人起業家 / エスニック・ビジネス / 東京圏 / 郊外 / 住宅地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外国人集住地域を形成する主体である外国人起業家がなぜ大都市圏の郊外地域において起業したのかを明らかにする。それにより、現代の日本ではなぜ大都市圏の郊外地域に外国人集住地域が形成するのか、その要因の解明を目指す。外国人を「包摂されるべき弱者」としてとらえる共生の対象ではなく、「地域社会の担い手」としてとらえる共創の主体として分析を行うことで、既存研究で議論されていたマイノリティ擁護を超えた新たな研究枠組みの提示が可能となる。 2021年度は昨今の新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初予定していたインターネット調査の開始ができなかった。そのため、インターネット調査で用いる質問表の作成に向けて、関連する先行研究の整理や、国勢調査・在留外国人統計をはじめとする既存の公的統計データの分析を実施した。 その結果、コロナ禍において日本の外国人人口は減少傾向にあるものの、2015年から2020年までの間に東京圏郊外における外国人の集住傾向は強まっていることが明らかとなった。従来の研究においては、外国人が集住する地域として都心周縁のターミナル駅周辺や郊外の団地が議論されてきたが、現代では郊外の住宅地においても外国人集住地域が形成するようになった。 こうした背景として、日本人と外国人との間の地域イメージの差異がみられることや、不動産業や個人輸入業などの高度に発展したエスニック・ビジネスが集積していることが考えられる。 本研究で得られた成果は、国際公共経済学会第10回春季大会にて「東京圏における外国人集住地域の郊外化に関する研究」というタイトルで報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨今の社会状況の混乱により、当該年度に実施することを予定していたインターネット調査が後ろ倒しとなってしまったため、調査結果の取得と分析、それをもとにしたインタビュー調査の実施に遅れが生じている。その間、インターネット調査で用いる質問表の作成に向けて、関連する先行研究の整理や既存の公的統計データの分析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、前年度に予定していたインターネット調査とインタビュー調査を実施する。①インターネット調査では、東京圏に居住する中国人400名を対象に、居住地選好やエスニック・ビジネスの利用状況について尋ねる。インターネット上に展開している日本人からは「見えない」エスニック・ビジネスのかたちを明らかにすることを目的とする。また、②インタビュー調査では、インターネット調査で明らかとなった高度化したエスニック・ビジネスの事業者に対して聞き取りを行い、東京圏郊外において形成した外国人集住地域における外国人起業家の役割を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、2021年度に予定していたインターネット調査の実施に遅れが生じたため。
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