2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Emergence of Foreign Entrepreneurs and Their Entrepreneurial Process to Bring about the Suburbanization of Foreign Residents Concentrated Area
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21K20182
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
高松 宏弥 武蔵野大学, アントレプレナーシップ学部, 講師 (10909162)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 外国人集住地域 / 外国人起業家 / エスニック・ビジネス / 東京圏 / 郊外 / 住宅地 / 起業過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外国人集住地域を形成する主体である外国人起業家がなぜ大都市圏の郊外地域において起業したのかを明らかにする。それにより、現代の日本ではなぜ大都市圏の郊外地域に外国人集住地域が形成するのか、その要因の解明を目指す。外国人を「包摂されるべき弱者」としてとらえる共生の対象ではなく、「地域社会の担い手」としてとらえる共創の主体として分析を行うことで、既存研究で議論されていたマイノリティ擁護を超えた新たな研究枠組みの提示が可能となる。 2022年度は東京圏に居住する中国人居住者400名を対象に、居住地選好を尋ねるインターネット調査を実施した。これにより日本における外国人の居住に関する探索的な検討を試みた。質問項目は、属性、居住地(選好)、エスニック・ビジネスの利用、地域イメージに関する設問全30問を日本語で設定した。インターネット調査は、株式会社マクロミルの登録モニターを対象に、2022年6月に実施した。 その結果、日本への転居時点で、エスニック・ビジネスが盛んであることが直接的に影響するかは不明であり、エスニック・ビジネスの存在よりも、出身地が同じ方々のコミュニティがあることの方が重要と推測される。また、住みやすさや金銭面での負担を考慮し、定住意向の高い方々については、郊外に広めの賃貸を借りるか持ち家を購入する選択肢が生まれるのではないかという示唆が得られた。 本研究で得られた成果は、国際公共経済学会第37回研究大会にて「東京圏における中国人居住者の居住地選好に関する研究――エスニック・ビジネスの展開と地域イメージに着目して」というタイトルで報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨今の社会状況の混乱により、当該年度に実施することを予定していたインターネット調査が後ろ倒しとなってしまったため、調査結果の取得と分析、それをもとにしたインタビュー調査の実施に遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度では、2022年度に実施したインターネット調査で得られた知見をもとにインタビュー調査を実施する。インタビュー調査では、インターネット調査で明らかとなった高度化したエスニック・ビジネスの事業者に対して聞き取りを行い、東京圏郊外において形成した外国人集住地域における外国人起業家の役割を明らかにする。
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Causes of Carryover |
予算をすべて執行することができなかったため。次年度の予算執行の予定はなし。
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