2021 Fiscal Year Research-status Report
Positive Deviances for Food Security based on lessons from COVID-19
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21K20190
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
日達 真美 長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員研究員 (10910698)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | ポジティブデビエンス / フードセキュリティー / レジリエンス / 低栄養 / COVID-19 / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.調査地の再設定:サヘル及び西アフリカ地域の17国では、半年ごとに地域別食糧危機レベルの現状評価と半年後の予測を行う、Cadre Harmonise(CH)と呼ばれる調査が行われている。研究サイトのセネガルにおいても調査が行われており、国内の14州すべての地域の食糧危機レベルを把握できる貴重な情報となっている。採用決定直後の2021年10・11月に行われた調査結果によると、半年後の6月~8月には非常に多くの人々が、5段階評価中のレベル3「危機状態」に陥ることが予想された。以上からこの調査結果を受けて、特にその予測が深刻であった2州のBombeyとDiourbelのうち、より「危機状態」に陥る人の割合が高く予測されていたDourbel(23%)を研究サイトとして再設定することとした。 2.調査指標の検討:フードセキュリティーを図る指標は数多く存在し、その選定は大変重要である。また、前述のCHを含め、政府や、国連機関などにより様々なフードセキュリティー調査が行われている。以上から、これらの調査内容をそれぞれ比較検討し、セネガルにおけるフードセキュリティー及び栄養政策の作成に用いられ、かつ本研究結果との経時的な比較可能性を考慮して、CHおよび2019年に実施されたセネガル政府によるフードセキュリティーおよび栄養、レジリエンス調査(Enquete nationale sur la securite alimentaire, la nutrition et la resilience)を選定し、その指標の比較、検討を行った。 3.研究許可申請準備:セネガル国研究倫理委員会(Commite National d'Ethique pour la recheche en Sante)への申請準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では、研究協力者と打ち合わせを行い、研究計画の再検討、調査マニュアルの作成、倫理審査委員会への申請書提出を行い、新年度から調査が開始できるよう、その事前準備を終了させる予定であった。しかしながら、調査結果との比較を見据えた指標の設定のために行った調査レビューでは、想定よりも多くの調査が行われており、比較・検討のために多くの時間を要したため。さらに、より有用な研究結果を得るためには、フードセキュリティーレベルの低い研究参加者への調査が必須であるため、上記のCH調査の結果を受けて、予定していた研究サイトの再検討・変更を行ったため、計画の遅れへと繋がった。さらに、セネガル国内でのCIVID-19の感染拡大を受けて、調査地への視察や関係者への研究協力依頼等のための出張を行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、セネガル(5月)および日本(6月)での研究倫理委員会への審査申請を行う。倫理委員会からの助言を基に、すでに完成させた質問票および調査マニュアルを適宜修正させる。データコレクターを対象とした研修会を7月中に実施し、調査は食糧危機の予測がされている8月に調査地での質問紙調査の実施を目指す。本研究では、定量的データと定性的データを扱う。定量的データは収集後すぐにデータクリーニングを行い分析を開始する。一方、インタビューから得られた定性的データは、現地語からフランス語へ翻訳し、データ分析を行う(8月~10月)。 調査結果は、11月に実施予定のアメリカ熱帯医学会年次総会での学会発表、及び国際学術雑誌への発表を予定している。
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Causes of Carryover |
本年度は、調査レビューや倫理委員会申請のための申請書類の作成を主に行ったため、渡航費用等がなくなったことが主な理由である。 来年度はフィールド調査を実施するため渡航費の支出を予定している。また、調査に伴い、研究補助1名、データコレクター3名への謝金と調査時の通信費を予定している。さらに、そのほかの費用として、研究成果を国際学術雑誌へ投稿するための英文校正・投稿にかかる費用、11月の国際学会での登録料及び渡航費用の支出を予定している。
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