2022 Fiscal Year Research-status Report
Positive Deviances for Food Security based on lessons from COVID-19
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21K20190
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
日達 真美 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (10910698)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | ポジティブデビエンス / フードセキュリティー / レジリエンス / 低栄養 / COVID-19 / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.セネガル人研究者の招聘:研究国における研究協力者であるシェイク・アンタ・ジョップ大学の栄養・食品研究所(Laboratoire de Recherche en Nutrition et Alimentation Humaine (LARNAH))所長および教授1名が長崎大学を訪れ、研究計画についての検討をした。また、研究代表者の所属教室、および長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科と今後の研究協力に関して話し合いを行った。さらに、大学院生を対象に研究発表・意見交換会を行った。 2.質問紙の作成:セネガルを含めるサヘル及び西アフリカ地域の17国では、Cadre Harmoniseと呼ばれる、半年ごとのフードセキュリティー評価と予測を行っている。また、2019年にはセネガル政府によりフードセキュリティー調査が実施されている。これらの調査と、フードセキュリティー評価を主に行っている国連食糧農業機関(FAO)及び国連世界食糧計画(WFP)調査および先行研究で用いられている指標に関してレビューを行い、質問紙の作成を行った。 3.ポジティブデビエンス候補の検討:アフリカで行われた先行研究を中心にレビューを行い、キーインフォーマントの選定およびインタビューガイド検討を行った。 4.研究許可申請:長崎大学熱帯医学研究所研究倫理委員会へ申請を行い承認を得た。さらに、セネガル国研究倫理委員会(Commite National d'Ethique pour la recheche en Sante)への申請準備を行った。 5.オープンデータの解析:前述のCadre Harmonise調査に関連したAPI利用申請を行い、これまでの調査で得られたデータを用いて、地理的および経時的解析に取り組み、学術論文執筆の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究初年度に新型コロナウイルス感染症パンデミックによる調査国への渡航制限、並びに研究対象地域であるセネガル国内での移動や地域での研究活動が制限されたため、フィールド調査のための準備が十分に行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の研究計画に関して、長崎大学熱帯医学研究所研究倫理委員会からの承認通知はすでに受けている。一方、セネガル共和国における研究倫理委員会(Presidente du Comite National d’Ethique pour la Recherche en Sante)からの承認を待っている状態であることから、承認が下り次第、調査に関わるデータコレクターを対象とした研究会を2日間行う。最も食糧危機のレベルが高まる7月に3週間程度かけて研究調査地において、224家庭を対象としてジュルベル州ボンベイ県にてアンケート調査を行う予定である。研究結果は、11月19日~25日にセネガルで開催予定のTHE 5TH Federation of African Nutrition Societies (ANUS) conferenceにおける発表を計画している。さらに、フィールド調査で得られたデータおよびオープンデータの解析を行い、国際学術雑誌への投稿も予定している。
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Causes of Carryover |
研究初年度は、COVID-19のパンデミックの影響を受け、研究代表者および研究協力者の国内外の移動や、その他さまざまな制約を受け、研究開始が大幅に遅れてしまったため、フィールド調査実施に至らなかったため、次年度使用額が生じた。次年度はフィールド調査を7月頃実施する予定であるため、渡航費およびフィールド調査に伴う車両借用代、研究補助員およびデータコレクターへの謝金等の支出が見込まれる。さらに、最終年度であることから、学術論文への投稿、国際学会での発表に係る費用を予定している。
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