2021 Fiscal Year Research-status Report
中国上山下郷運動と高齢期知識青年の生きがい意識・学習要求
Project/Area Number |
21K20221
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
趙 天歌 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (60906684)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 社会教育 / 成人教育 / 上山下郷運動 / 知識青年の「再教育」 / ドキュメント分析・語り |
Outline of Annual Research Achievements |
「中国上山下郷運動と高齢期知識青年の生きがい意識・学習要求」という研究課題の遂行にあたり、申請者は3つの構成課題のうちの課題1である、「上山下郷運動における知識青年の『再教育』に関する研究」というテーマで、研究活動を展開しました。 構成課題1の研究では、中国の上山下郷運動当時において展開された知識青年への「再教育」政策に焦点をあて、各種の文献資料を整理・検討し、当事者であった高齢期に来ている知識青年の語りを踏まえ、「再教育」の理念の形成の経緯およびその目的の変化、そして、「再教育」の実際を明らかにすることを試みました。申請者は、ドキュメント分析と質的インタビュー調査の方法を用いて、研究論文を執筆しました。執筆した研究論文は、学会誌に投稿しました(2022年5月現在、投稿中)。 構成課題1の研究に進めたことによって、上山下郷運動と「再教育」の理念を理解し、当事者であった知識青年が運動期に農村での境遇を知ることができました。また、構成課題1の研究は、これから推進する構成課題2である「中国上山下郷運動による知識青年への影響:高齢期知識青年のライフストーリー分析」で追求する問題、つまり、青年期における特殊な経験が知識青年たちに与えた物理的・精神的影響へのさらなる検証にもつながりがあると考えられます。それに加えて、そうした特殊な世代である知識青年に対する社会の理解をさらに深めることができました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来の研究スケジュールでは、2021年度において構成課題1の完成と構成課題2の調査の開始を予定していました。病気による長期休養をしたため、研究の推進が半年間ほど遅れてしまいました。 申請者は、復帰した後、速やかに研究活動を始め、研究課題の「構成課題1:上山下郷運動における知識青年の『再教育』に関する研究」を進めました。2022年現在、構成課題1は投稿中で、構成課題2は調査段階にあります。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進スケジュールは変更がありません。下記の通り、3つの構成課題を進めることによって「中国上山下郷運動と高齢期知識青年の生きがい意識・学習要求」という申請研究課題を遂行する予定です。 構成課題1:「中国上山下郷運動における知識青年の『再教育』に関する研究」(投稿中) 構成課題2:「中国上山下郷運動による知識青年への影響:高齢期知識青年のライフストーリー分析」(調査段階、2022/9-10・学会発表予定) 構成課題3:「高齢期知識青年の生きがい意識・学習要求と高齢者の生涯学習支援の課題(仮)」 *コロナ禍の影響により、中国現地においてのフィールドワークの実施が難しくなったため、調査の実施方法や形式等の計画は、実際の状況に応じて変更が生じる可能性があります。
|
Causes of Carryover |
病気休養による研究進捗の遅れが発生し、前年度の計画の通りに研究を進めることができなかったが、研究スケジュールと経費使用の計画は変更がありません。そのため、次年度において、研究遂行のために必要とされる経費発生の理由および経費使用の計画は、前年度と同じです。
|