2022 Fiscal Year Research-status Report

中国上山下郷運動と高齢期知識青年の生きがい意識・学習要求

Research Project

Project/Area Number	21K20221
Research Institution	Waseda University
Principal Investigator	趙天歌早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (60906684)
Project Period (FY)	2021-08-30 – 2024-03-31
Keywords	社会教育 / 成人教育 / 中国上山下郷運動 / 知識青年（高齢期） / ドキュメント分析 / ライフストーリー調査・分析
Outline of Annual Research Achievements	以下では、2022年度における研究活動の実施状況および研究成果について報告します。本研究の遂行にあたり、2022年度においては２つの個人研究課題を進めてきました。研究課題①と②の中心内容と進行状況および研究成果・実績についての説明は、次のとおりです。研究課題①（2021年から2022年）は、JSPS科研費JP21K20221の助成を受け、中国上山下郷運動における知識青年の「再教育」に関する研究である。本研究課題の目的は、1968年から1980年にかけて、中国の上山下郷運動において行われた知識青年の「再教育」に焦点をあて、「再教育」理念の形成とそのねらいについて検討し、知識青年が上山下郷運動中に受けた「再教育」の内容を明らかにすることにある。【研究論文刊行済（2023年3月）】研究課題②（2022年）は、JSPS科研費JP21K20221の助成を受け、中国上山下郷運動後半に関わった高齢期知識青年のライフストーリー分析に関する研究である。本研究課題では、中国の上山下郷運動の後半（1972年以降）から下郷（農村や辺境地での徴農）した、現在60〜70歳代の高齢期知識青年（以下、後期知青）を対象にし、彼/女らのライフストーリーを分析することを目的とする。こうすることによって、上山下郷運動の経験が後期知青にどのような影響を与えたか、その影響が彼/女らの高齢期に対する生きがい意識と学習要求にどのように結び付いているかを検討することを試みた。【個人研究発表済（2022年10月）、研究論文執筆・修正中（2023年度投稿予定）】
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 2021年度において病気による長期休養をしたため、研究全体の進行が半年間ほど遅れていました。復帰した後、速やかに研究活動を始め、2022年度では【研究実績の概要】の通り、研究課題①を完成しました。だが、昨年度、調査対象国（中国）における急な大規模コロナウイルス感染症拡大とそれに伴う入国後の隔離政策（３週間以上必須）によって、調査は予定通りに実施ができませんでした。
Strategy for Future Research Activity	下記の通り、3つの構成課題を進めることによって「中国上山下郷運動と高齢期知識青年の生きがい意識・学習要求」という申請研究課題を遂行する予定です。（完成）構成課題1：「中国上山下郷運動における知識青年の『再教育』に関する研究」（ほぼ完成）構成課題2：「中国上山下郷運動による知識青年への影響：高齢期知識青年のライフストーリー分析」（論文執筆修正段階、2023年度投稿予定、追加調査検討中）（未完成）構成課題3：「高齢期知識青年の生きがい意識・学習要求と高齢者の生涯学習支援の課題（仮）」（2023年度内完成予定）＊現在、実際状況に合わせて調査の実施方法等を調整しながら今後の研究スケジュールを立て直しています。
Causes of Carryover	前年度において研究調査は予定通り（海外調査や国際学会での研究発表など）に実施することができなかったが、2023年以降に調査対象地域・国における新型コロナウイルス感染防止の政策が緩和されたため、研究経費使用の計画は変更なく、次年度において、研究遂行のために必要とされる経費発生の理由および経費使用の計画は、前年度と同じです。