2021 Fiscal Year Research-status Report
特別支援対象児童への学級適応支援:学級集団状態に応じたソーシャルスキルに着目して
Project/Area Number |
21K20225
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Research Institution | Suzuka University |
Principal Investigator |
川俣 理恵 鈴鹿大学, こども教育学部, 准教授 (00910910)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 特別支援 / 学校適応 / 学級集団 / ソーシャルスキル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,通常学級に在籍する特別な支援が必要な子どもへの援助について,学級集団の状態に応じたソーシャルスキル教育のあり方について検討することを目的としていた。この目的を達成するために,初年度においては,学級集団の状態,学校適応,ソーシャルスキルに関連する変数についての調査を実施し,変数間の関連について検討を行った。調査結果については,代表的な学級集団の状態ごとに,特別な支援が必要な子ども,その他の子ども,学級全体の傾向,という視点から現在分析を進めているが,これらの要因においてはそれぞれ特徴的な結果が認められることが明らかになっている。 この結果から,通常学級において特別な支援が必要な子どもへの援助としてソーシャルスキル教育を実施する場合に,個人の状況に応じたターゲットスキルの選定とともに,学級集団の状態などの個人を取り巻く環境要因も考慮することの重要性が示唆されたと考えている。 この他にも,複数名の学級担任教師に対して,日々の子どもの様子や学級経営方針などについての聞き取り調査を実施した。この結果については,現在も整理中である。子どもに実施した調査結果と学級担任教師への聞き取り調査結果を統合することで,実態に応じた援助の指針が得られるのではないかと予想している。 そして,初年度に調査協力が得られた学校については,次年度の調査実施についても内諾が得られていることから,より長期的な視点に基づいた検討を行うことができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1の計画については,概ね順調に遂行できていると考えられたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実施した調査結果について分析を進めつつ,仮説モデルを生成する予定である。また,次年度の調査の準備や調査協力校との打ち合わせを進めていく。
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