2022 Fiscal Year Research-status Report
The relationship between reading development / disability and visual processing skills
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21K20226
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
奥村 智人 大阪医科薬科大学, 小児高次脳機能研究所, 特別職務担当教員(講師) (00538077)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 視覚的注意 / 眼球運動 / 読み障害 / ディスレクシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、視線解析装置を用いた視覚的注意の評価プログラムを開発し、視覚的注意や視覚情報処理が読みの発達にどのように関係するかを明らかにすることを目的としている。これまでに、Developmental Eye Movement Test (Richman, 1987, Garzia RP, 1990)を参考にしてコンピュータ画面上数字列を縦読み・横読みで呼称する視覚的注意・眼球運動課題を作成し、パイロットスタディを行った。検査に問題がないことを確認した後、2022年度7月から本検査を開始し、大阪医科薬科大学LDセンターに来所する読み書きに苦手さがある小学4~6年生および一般小学4~6年生に実験を行った。課題実施時の眼球運動軌跡を測定するためにスクリーンと一体型のアイトラッカーTobii pro スペクトラム(Tobii Technology, Danderyd, Sweden)を使用した。
2023年3月末時点で、読みに問題がある小学生20例および一般小学生10例のデータ収集を完了した。定型発達児と比較し、読み困難を示す児では数字列の呼称速度が有意に遅延し、アイトラッカーで測定した固視回数も有意に多く、固視時間は有意に延長していた。
デコーディング能力(文字情報を音に変換する能力)と独立して、視覚的注意や眼球運動が読み速度に関連することを示唆する結果が得られた。さらにデータの分析を進めており、読み能力と視覚的注意・視覚情報処理の関係について、より詳細な検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、対象児への検査実施が目標の8割程度になった。2023年度は症例を追加するための検査実施アルバイトと協力者謝金に繰越金を使用する。
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Strategy for Future Research Activity |
読みに苦手さがある小学生の視覚的注意について分析を行ったが、音読が著しく苦手なディスレクシアを対象にした分析には至っていない。今後は症例数を増やし、一般小学生とディスレクシアを比較することにより、ディスレクシアの視覚的注意の特徴と読みの苦手さに関する支援法の開発を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、対象者への検査実施が目標の8割程度となったため、次年度使用額が生じた。
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