2022 Fiscal Year Research-status Report
東京都とニューヨーク市における幼児教育無償化制度の実装アウトカム比較研究
Project/Area Number |
21K20234
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤羽 早苗 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (20899140)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
Keywords | 教員 / 保護者 / データベース / 価値観の変化 / 無償化政策の要改善点 / 無償化政策の良い点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2019年10月に日本で実装された幼児教育無償化政策 (以下、無償化政策) の実装過程、また教員、現場管理者にもたらす日々の経験への影響を検討し、2014年9月から実装したアメリカ・ニューヨーク市における同様の無償化政策(Pre-K for All, New York City Department of Education, 2014)との比較を行う。教員・現場責任者、また保護者を対象にしたアンケートを用いた量的分析、さらに教員・現場責任者と保護者とのインタビュー、フォーカスグループを用いた質的ナラティブ分析の混合研究法を使用し、ニューヨーク市・東京都という世界二大都市間の無償化政策における実装過程とその過程上での現場の経験・声(実装アウトカム)に焦点を当て比較する。調査を計画通りに遂行するために努力はしてきたが、2022年の夏まで幼児教育現場でのコロナ感染の増減が頻発する状況で、対象者リクルートやアンケート・インタビュー実施までにかなりの時間を要した。RAを雇用し、東京都内の幼児教育施設のデータベースやマップ製作し、リクルートを徐々に開始したが、コロナ禍のため困難だという返答が多かった。5月から8月にかけて無事に80名の保護者と教職員からのアンケート調査、15名の教職員とのインタビュー実施が終了した。アンケート集計、インタビューの文字起こしが終了し、データ分析の段階に入っている。データ分析にはSPSSとAtlas:ti を使用し、量的・質的分析を用いる混合分析を実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で対象者リクルートやアンケート調査・インタビュー実施時期が大幅にずれ込んだため、計画よりも遅れをとっているが、データ収集は終了し、データ分析、結果報告の段階に入っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はデータ分析を終了し、今年度中に学会・論文等で結果報告を計画している。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス収束前のデータ収集ということもあり、感染を心配し研究参加に懸念を示す幼児教育施設が多く、なかなか対象者数が集まらなかったため。コロナが5類に引き下げられた今年度は、より多くの施設で対象者リクルートが可能か検討する予定である。
|