2022 Fiscal Year Research-status Report
地方からの地域移動に関する教育社会学的研究:高校教育との連関に着目して
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21K20235
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
上地 香杜 静岡大学, 教職センター, 特任助教 (00907652)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 高校教育 / 地域移動 / 地方 / 進路形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地方から都市部への地域移動と高校教育の連関を明らかにすることである。事例として和歌山県を対象として、高校別に卒業時の地域移動を描出し、地域移動と高校教育実践の関係性を明らかにする。2年目となる本年度は、(1)初年度に入手した資料のデータ化、(2)全国的動向の調査・データベース化を集中的に行なった。 (1)初年度に入手した資料のデータ化では、初年度に教育委員会から入手した資料のうち、進路に関する資料を各高校・各年度で再集計し、データベース化した。それをもとに、年代別に各高校の進学実績の特徴を大まかに整理し、次年度の学会発表・論文投稿につながる素地を作成した。また、(2)全国的動向の調査・データベース化では、分析にあたって和歌山県だけでなく、全国的な動向を示す必要性が考えられたため、新たな資料を収集しデータベース化を行った。新たな資料は、学校基本調査を中心として、全国的な大学進学と地域移動に関するデータ整理を主に行い、過去30年間分のデータを整理した。都道府県ごとに大学進学率、県外進学率を算出し、年代別、各都道府県別のデータセットを作成した。 (1)と(2)の作業は、次年度に具体的な分析を行うために必要な作業であり、これらを通して、事例である和歌山県と全国的な動向を比較検討しながら研究を遂行する準備が整った。 一方、予定していたインタビュー調査は各学校ならびに教育委員会とメール・電話にて交渉、調整を行っている。日程調整が難航し、実施には至らなかったが、関係は良好であり、次年度に対面でのインタビュー調査を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
各種資料に関してデータベース化が終了したが、データベース化ならびに複数の資料整理に時間がかかり、具体的な分析は十分に進まなかった。また、予定していたインタビュー調査は日程調整が難航し、次年度に持ち越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長し、本年度作成したデータベースをもとにした分析を精緻化し、学会発表・論文執筆を行う予定である。並行して、インタビュー調査を実施する。これらの内容を包括的に考察し、高校教育と地域移動の関係性について理論的構築を行う。
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Causes of Carryover |
理由としては、(1)当初予定していた学会参加がオンライン(もしくはハイブリット)開催となったために、旅費の使用がなくなったこと、(2)謝金を利用してデータ入力を行う予定であったが、取得したデータが複雑でありアルバイト業務化することが困難であったことと、予定していたインタビュー調査が実施できなかったため、文字起こしに対する謝金が発生しなかったことがあげられる。次年度は、参加予定の学会大会が対面開催であるための旅費が発生し、インタビュー調査を行う予定であるため謝金も使用する計画である。
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