2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on qualitative grasping of thinking in arithmetic and mathematics: From the perspective of teacher intervention in reflection
Project/Area Number |
21K20248
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
中尾 真也 関西福祉科学大学, 教育学部, 講師 (20907745)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 振り返り / 教師の介入 / 評価 / 指導と評価の一体化 / 拡張焦点化分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、開発した振り返りカード「LEADカード」への学習者による記述と、教師の「LEADカード」へのコメントを質的に読み取ることで、振り返りの記述への教師の介入の在り方について明らかにしようとするものである。 2023年度はまず、振り返りへの教師の介入を捉える分析枠組みの構築を目指してLobato et al.(2013)の焦点化分析について考察した。焦点化分析は数学授業における学習者の思考の移り変わりを記述・分析しようとするものであるが、焦点化分析を振り返りの文脈まで拡張した「拡張焦点化分析」を構築した。成果は、全国数学教育学会第58回研究発表会にて発表した。第二に、拡張焦点化分析の視点から、相互構成的振り返り活動を提案した。相互構成的振り返り活動とは、振り返りへの教師の介入によって振り返りを授業内に位置づけ、単元が進んでいくというものであり、「過去の振り返りを授業に活用し、振り返りと授業が互いに影響を及ぼしながら授業が進んでいくこと」と規定した。その上で、小学校第4学年「面積」の単元を事例に拡張焦点化分析と相互構成的振り返り活動の有用性を見出した。成果は、全国数学教育学会第59回研究発表会にて発表した。 振り返りに関しては授業の終末に記入されるだけ等といった、振り返りの形骸化が指摘されているが、本研究によって振り返りを活用する新たな学習方法・及び振り返りへの教師の介入を捉える分析方法を提案することができたと考える。
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