2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of interactive learning materials using chatbots in information ethics education
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21K20266
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 祐子 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 助教 (40905387)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 情報倫理 / チャットボット / データサイエンス / グループ学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
大学における情報倫理教育は批判的思考能力の養成として重要な教育要素の一つであり、グループ学習での議論を通じて、問題深化の促進と解決のための能力育成を目指している。グループ学習では、指導者が複数の小集団の進捗を確認し、時に助言や誘導をすることが必要である。情報倫理教育は一般情報教育の知識体系の要素の一つとして、大人数授業の形態で実施されることも多く、この状況下でグループ学習の効果を上げるには教材開発や授業設計の工夫が求められる。本研究では大人数を対象とした情報倫理の授業においてグループ学習に類似した形式で学習効果を得られる教材として、チャットボットに着目する。チャットボットを使ってグループ学習による対話を疑似的に再現するシステムを構築し、従来のグループ学習との学習の効果を比較して教育効果の是非を明らかにする。 2021年度は、グループ学習、チャットボットの教材に使用する情報倫理の問題シナリオを作成し、オンライン授業において、少人数グループでのグループ学習を実施した。AI倫理について学生が身近な問題として考えられるようにするため、AIを人材育成事業に取り入れた事例としてAI面接を取り上げた。授業中に実施したアンケートや授業後の記述式レポートの課題の分析を行った結果、グループ学習で他者と意見を交わすことにより、題材に対する興味関心が増加したことが分かった。 チャットボットの開発はMicrosoftの提供するAzure bot Services, Googleの提供するDialogflow, Botpress社の提供するBotpressなどのチャットボット開発プラットフォームを試行した。開発時のテスト環境の自由さからBotpressを採用することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、開発したチャットボットと従来のグループ学習の間の教育効果を比較する。2021年度は、予定通り情報倫理に関する授業でグループ学習を実施し、その効果を分析した。2022年度は開発したチャットボットを授業で活用する予定である。ユーザーが利用するだろうタブレット端末でのテストをより充実させたいが、授業の活用には大きな問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
チャットボット教材についての活用テストを十分に行い、授業当日の円滑な利用に備える。授業後には、これらの利用について分析を行い、2021年度に実施したグループ学習の場合の教育効果と比較し、チャットボット教材の効果を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
設備備品について予算よりも低額で購入できた。パソコン周辺機器の消耗品の購入用に予算を充てたが初年次に教材の開発において想定よりも購入の必要がなかったため、差額が生じた。2022年度はデータ分析用にハードディスクなどの購入を予定しているが、昨今の世界情勢により、当初予定の予算より購入金額が上回ると考えており、次年度使用額で補填することになるのではないかと考えている。
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