2021 Fiscal Year Research-status Report
障害学生支援者の職務葛藤から生じる問題意識 ー支援者の「語り」による分析ー
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21K20268
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岸川 加奈子 九州大学, 基幹教育院, 特任助教 (40908274)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 障害学生支援 / 支援者 / 職務葛藤 / 半構造化面接 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等教育機関における障害学生支援にかかわる近年の動向として、支援対象学生の増加が挙げられ、それに伴い支援者の配置も進んでいる状況にあると言える。しかし、支援者に資格等に関する統一した基準は設けられていないことから、様々な専門性を持つ者がその職についている状況にある。多様な障害学生への対応を求められる支援者が「自身の専門性とは異なる知識や視点、判断」を行わざるを得ない状況の発生も想定される。本研究は支援者が支援業務を行う際に感じる葛藤や悩みと、その解決プロセスを明らかにすることを目的としている。対象者は高等教育機関において障害学生支援に携わる支援者とし、半構造化面接を実施し質的データを収集する。支援者の学問的背景として、障害学・特別支援教育・心理学・福祉学・医学等が想定されるが、葛藤や悩みの内容は、支援者の所持資格や学問的背景により異なると考えられる。分析は学問的背景ごとに、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて行う予定にしている。 心理学を学問的背景に持つ支援者に対するインタビューから開始を予定している。インタビュー時の質問項目の調整を行いながら、他の学問的背景を持つ支援者の募集も順次行う予定である。 高等教育機関において障害学生支援に携わる支援者が抱える葛藤と、その解決プロセスについて明らかにすることにより、支援者が求める援助内容や、現在の障害学生支援における課題・問題点の整理が行われ、支援者が健康的に職務を行う方策や障害学生支援の在り方の検討に繋がると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
半構造化面接の方法を対面からオンラインに変更した。協力者にもプライバシー確保の依頼をする必要が生じ、同意書等の再作成を行った。それに伴い、被験者募集の開始が遅れたため、予定よりもデータ収集が進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者のリクルートを進め、十分なデータ数を確保することを目指す。並行して、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた分析を行っていく。
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Causes of Carryover |
学会等がオンラインでの実施になったため、旅費が発生しなかった。また、インタビュー開始が遅れたため、年度内に人件費が発生しなかった。
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