2022 Fiscal Year Research-status Report
Reputation-based Decision Making in Autism
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21K20269
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
小林 亜紀子 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 助教 (10909245)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 評判 / 意思決定 / ゲーム理論 / 計算モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder; ASD)は,社会的コミュニケーションの障害と,限局的な興味や強いこだわりを特徴とする,「人との関わり」 に困難を抱える発達障害である。 本研究では, 他者との円滑な関係を構築するために重要な,評判に基づく行動選択に着目する。他者からよい評判を得ること ができれば,良好な関係を構築し,維持することが可能になる。しかしながらASD者は,自身の評判を上げるためにふるまいを変えるといった戦略を持たず,対 人関係の困難さを抱えることが指摘されている。ASD者が自身の評判を上げ,維持するために,どのように行動を選択するのか,ゲーム理論と計算モデルを用い,その心理過程について詳細に検討する。これまでに実施した予備実験の結果から,本研究のために新たに作成したパラダイムにより,健常者は,自身が獲得する報酬を大きくするために,自分の評判を高めようとする行動パターンをとることを確認した。 最終的な目標である自閉スペクトラム症者を対象とした本実験に向け,健常者と自閉スペクトラム症者の違いを検出できるよう,シミュレーションにより,実験パラメータ,アルゴリズムの調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在まで,二人の被験者が同時に参加するゲーム課題を用いて予備実験を遂行してきたが,別の被験者と同日,同時間帯に参加できる被験者の募集に想定以上の時間がかかった。また,二人で参加するゲームを採用しているため,互いのパフォーマンスに互いの振る舞いが大きく影響することから,質の高いデータを効率的に収集することも難しく,想定以上の時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに実施したシミュレーションによって調整した実験課題を用いて再度健常者を対象にデータ収集を行う。結果を確認した後,共同研究者と協議の上,自閉スペクトラム症者を対象にデータ収集を実施することを予定している。
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Causes of Carryover |
予備データ収集に想定以上の時間がかかり,自閉スペクトラム症者を対象とした本実験をまだ実施できておらず,旅費の使用計画等に変更が生じた。共同研究者と協議の上,研究計画の見直しを行い,次年度には,共同研究機関である福井大学にて,自閉スペクトラム症者を対象とした本実験を遂行する予定である。
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