2021 Fiscal Year Research-status Report
Institutional Research from the perspective of information recipients
Project/Area Number |
21K20271
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
井芹 俊太郎 神田外語大学, 教育イノベーション研究センター, 講師 (20909155)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | Institutional Research / 高等教育 / 大学経営 / 意思決定 / 情報活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、情報の受け手、その中でもとりわけ、機関全体に係る意思決定を担う大学の上級管理職者の観点から大学のIR(Institutional Research)を捉え、より有効なIRの在り方を提示することを目的とする。 1年目の2021年度は、インタビュー調査および質問紙調査の準備のため、文献調査およびそれに基づく研究成果を報告した。 まず、IR担当者の公募資料を分析した「公募情報からみるIR担当者の人材要件」においては、調査設計やデータ処理等の知識・スキルのみならず、大学の教育研究等の質向上に対する熱意や、学内構成員と協調しながら業務・組織改善に繋がる提案や実践に取り組むこともIR担当者に求められていることが分かった。 また、これまでの調査内容や経験等を基に書籍(『大学IR標準ガイドブック インスティテューショナル・リサーチのノウハウと実践』)を共著で執筆・出版した。この書籍では、「日本の大学のIRを巡る政策」、「認証評価対応とIR」、「補助金政策とIR」、「IR組織の分類と役割」などについて執筆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の研究計画は、翌年度の質問紙調査の実施と集計・分析に向け、①インタビュー調査の実施、②質問紙調査の準備に取り組むことであった。 しかし、調査準備の文献調査やその成果報告に時間を要してしまったほか、2021年度後半の新型コロナウイルス感染症の再流行により、インタビュー調査の実施計画の一部変更を余儀なくされた。当該年度に実施可能な調査・報告および質問紙調査の準備に取組んだものの、インタビュー調査の本格的な実施は翌年度に持ち越すこととなった。 以上を踏まえ、当該年度に実施可能であった活動(文献調査、成果報告)に注力しつつも、予定通り実施できなかったものがあることから、本研究はやや遅れていると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は当初より変わらず、どのような情報をどのように自らの意思決定や合意形成の場で活用しているのか、情報を活用した意思決定によって大学の教育や経営がどのように改善しているのかを、情報の受け手の立場から明らかにすることである。 したがって、当初の計画どおり、A.インタビュー調査の実施とその取りまとめ、B.質問紙調査の実施と分析の2つが研究活動の柱となる。 A.についての研究推進方策は、オンラインでのインタビュー対応に加え、再開されてきた対面での学会大会や研修等の機会を活用することにある。2022年度前期中にインタビュー調査を終え、2022年度半ばにその結果を発表・投稿するというステップでスケジュールを再調整している。 また、B.の質問紙調査については、A.によって得た質的情報を踏まえて実施したいため、実施時期の変更も視野に入れる。また、質問紙調査の準備期間が当初の予定より確保できるため、本研究のテーマや方法に通ずる研究者や、IR実務担当者の協力も得ながら調査の準備に取り掛かる予定である。
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Causes of Carryover |
理由は主に3点である。第1に、インタビュー調査の本格的な実施を翌年度に繰り越したためである。第2に、当初は購入を予定していた研究データを2021年度は他の研究者から提供してもらえたためである。第3に、購入を予定していた統計ソフトの代替手段を、2021年度は期間限定で使用できたためである。 繰り越した次年度使用額については、まず、インタビュー調査の謝金として2022年度に支出予定である。また、研究データや統計ソフトの更新を2022年度に行う予定であるため、こちらも2022年度に支出予定である。
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