2021 Fiscal Year Research-status Report
子育て支援における子ども理解を基軸とした保育者と保護者の「相互理解」の可視化
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21K20280
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Research Institution | Okazaki Women's Junior College |
Principal Investigator |
木田 千晶 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 助教 (60908680)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 子ども理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,子育て支援における子ども理解を基軸とした保育者と保護者の「相互理解」の可視化を題として研究を進めている。研究を進めるにあたって,保育者と保護者の「子ども理解」をどのように捉えるべきかを示す必要性が生じたため,保育や幼児教育における「子ども理解」に関する検討を行った。 子ども理解に関する先行研究から,それぞれの研究の関心の中心を探り,子ども理解の扱い方を検討した。保育や幼児教育の分野において,子ども理解という言葉は常用され,広く普及している言葉であることは明らかであった。先行研究に基づく考察により,子ども理解は,実践と隣り合わせの概念であるため,その言葉の意義は流動的であり,定義することは難しいことが考えられた。子ども理解は,子どもの内面を理解し,子ども一人一人に応じた援助に繋げることが求められる行為であるが,子どもを理解することは容易ではないことも示唆された。さらに,子ども理解では,子どもを理解できることを目指すのではなく,子どもを理解しようとし,子どもの姿を丁寧に見ようとする意識が求められることも考えられた。つまり,子ども理解を常に問い直すこと,文脈や場面に沿ってその言葉が何を意味するのかを捉えようとすることが,言葉の使用者側にも求められると考えられた。 以上のことから,本研究では,保育者と保護者が,どのように子どもを見て,理解しようとするかという観点に立った子ども理解を基軸にして,保育者と保護者の相互理解を促す要因についての検討を続ける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,新型コロナウイルスの影響を受け,物品購入が滞ったり,保育現場における調査が実施できなかったりしたため。保育現場に介入する必要のある本研究では,新型コロナウイルスの影響を受けやすいことから,協力者や協力園へ最大限配慮をしながら,実施可能な方法を模索しながら研究を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に示しているとおり、保育者と保護者それぞれの子ども理解を明らかにし,保育の場における子育て支援において,保育者と保護者の相互理解を成り立たせる要因を検討していく。
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Causes of Carryover |
本年度は,新型コロナウイルスの影響により,計画が滞ったため,次年度への繰り越しが生じた。次年度は,本年度実施できなかった分を進める。また,研究計画と齟齬がないように留意しつつ,状況によって柔軟に対応できる方法を模索しながら研究を進める。
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