2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K20281
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
道上 史絵 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 特命助教 (80910538)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | ベトナム人技能実習生 / 技能実習制度 / 日本後教育 / CEFR / 口頭会話能力 / 技能実習生 / ベトナム語母語話者 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度より実施していた技能実習生の口頭会話データ収集を継続して行ったが、コロナ禍により技能実習生を含めた海外からの渡航制限が長期間続いた影響と、来日が再開された後の現場の受け入れの負担増もあり、収集できたデータは2023年3月現在で29名分に留まっている。計画では来日後半年以内の技能実習生を対象とするとしていたが、上記の理由から半年を超えた技能実習生も対象とすることとし、データ収集を行った。29名のデータから明らかになったことは、来日後の期間が長い実習生も含めた調査対象者のほぼ全員が、ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework and Reference for Languages)に基づき作成された「日本語教育の参照枠」で示された能力記述文の「話すこと」においてA1程度のレベルに留まっているということである。しかしながら就労場面では大きな問題を抱えていないことも明らかとなった。その背景を調査するため、29名のうち継続調査に応じた16名に半構造化しインタビューを行い、その語りを文字化したものをM-GTA(Modified-Grounded Theory Approach)を用いて分析した。語りからは、ベトナム人技能実習生の就労場面及び生活場面での日本語使用は極めて限定的であること、日本語学習への投資は日本社会ではなく帰国後のベトナム社会への参入を目指して行われること等が明らかとなった。その分析結果をまとめた研究論文を『社会言語学』(「社会言語学」刊行会)に投稿し、採択され2022年12月第22号に掲載された。
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