2021 Fiscal Year Research-status Report
使用する手の選択に関する神経基盤の解明:前頭・頭頂葉ネットワークに着目して
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21K20293
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平山 健人 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (00907131)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 行動選択 / 意思決定 / 上肢選択 / 非侵襲的脳刺激法 / 非侵襲的脳画像法 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ある目標物に対して手を到達させるときに,左右どちらの手を選択して使うかという手の選択に関する脳内ネットワークを解明することである。脳波解析および非侵襲的脳刺激法の1つである経頭蓋交流電気刺激法を用いて,行動選択に関係があるとされる後頭頂葉と運動前野の機能的結合と手の選択との関係性について検討を進めている。2021年度は,健常者を対象に脳波計を用いて,手の選択課題中の脳波を計測した。データは概ね取得し終わり,手の選択に関する脳の機能的結合を検討するためにデータを解析中である。また,経頭蓋交流電気刺激法を用いて,運動前野および後頭頂葉の機能的結合を促進または抑制し,手の選択に及ぼす影響を検討している。経頭蓋交流電気刺激法は,頭皮上から交流電気刺激を複数の脳領域に同時に刺激することで,刺激直下の脳領域間の機能的結合を促進または抑制できる方法である。現在,6名のデータを取得し終わった。2021年度は,新型コロナ感染症の影響で,実験参加者のリクルートが難しく計測に時間を要したが,脳波を用いた研究では,予定していたデータ数を取得し終えることができた。今後の予定は,脳波データの解析から機能的結合を抽出し,手の選択との関係性を検討する。さらに,後頭頂葉と運動前野への経頭蓋交流電気刺激が手の選択に及ぼす影響を検討するために計測を継続する。これらの結果を国際雑誌に投稿する。本研究によって,手の選択に関する脳内ネットワークが明らかとなり,さらに,非侵襲的な脳刺激法を使い手の選択率を変化させることができれば,脳卒中患者の麻痺手の使用を促すリハビリテーションに応用できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は,一部の研究について,新型コロナ感染症の影響で進捗が滞っているところがある。具体的には,経頭蓋交流電気刺激の実験では,2021年度中に計測を終える予定であったが,実験参加者のリクルートに時間を要し,予定していた人数を計測できなかった。そのため,2022年度も計測を継続する予定である。一方で,脳波実験は計測を終了し,解析中であるため,全体的には,比較的順調に進んだと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,脳波実験の解析を進め,脳活動の機能的結合を推定し,手の選択との関係性を検討する。とくに,運動前野と後頭頂葉の機能的結合に着目し,解析を進める。経頭蓋交流電気刺激実験については,予定している人数のデータを取得するために計測を継続する。データが揃い次第,そのデータを解析し,運動前野と後頭頂葉の機能的結合を促進または抑制した場合に,手の選択がどのように変化するか検討する。その結果から,運動前野と後頭頂葉の機能的結合と手の選択の因果関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症によって,一部の研究に進捗の遅れが生じている。そのため,2021年度に使用予定であった研究遂行に必要となる物品経費および学会参加費・渡航費を2022年度に使用する予定である。具体的には,脳波解析用のPCや経頭蓋交流電気刺激の実験物品を購入予定である。また,研究成果を国際学会(2本)および国際科学雑誌(2本)にて報告する予定である。このため,翌年度分として助成金を請求した。
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Research Products
(2 results)