2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the brain mechanisms underlying false memory increased by self referencing
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21K20303
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
島根 大輔 高知工科大学, 総合研究所, 助教 (00909301)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 虚記憶 / 自己 / 自己参照 / 脳活動計測 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,未経験の出来事を誤って記憶してしまう「虚記憶」が自分に関連した事柄についての記憶から生じやすいという現象の脳内メカニズムを脳波(EEG)と磁気共鳴機能画像法(fMRI)の両側から明らかにすることである。研究実施計画では,オフラインでの脳活動計測実験を予定しているが,本年度はその前段階としてオンラインでの行動実験を実施した。行動実験では,クラウドソーシングサービスを介して142名の記憶テストのデータが集められ,正しい記憶と虚記憶の成績が集計・解析された。本研究の結果は2022年度の国内学術大会で発表予定である。また,本結果をまとめた英語論文がプレプリントサーバーに投稿済みであり (Shimane et al., 2022, PsyArxiv),現在国際学術誌の査読中である。さらに,本研究に関連する虚記憶生起プロセスについての研究成果を2021年度の国際学術大会にてオンラインで発表した (Shimane et al., 2021)。この研究は,画像イメージを伴う詳細な記憶からも虚記憶が生じやすいことを示したものであり,「虚記憶が生じやすい」という本研究との共通性を比較検証するためのものである。 加えて,次年度以降オフラインでの脳活動計測実験を実施するため,本年度はその予備実験を実施した。被験者2名を対象に認知課題中の脳活動をfMRIを用いて計測した。現在はこのデータの解析中である。次年度以降はオンラインで得た行動データをもとに,行動実験(記憶課題)のプログラムをfMRI内でも実施できるよう改良し,予備実験で得た知見を参考にfMRIを用いて当該記憶課題中の脳活動データを取得し,「虚記憶が生じやすい」ことに関連する脳内メカニズムを解析・同定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は行動実験を実施しその結果を論文にまとめて投稿した。また,脳活動計測実験の予備実験を実施し,解析を進行中である。これらのことから,概ね当初の予定通り進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究実施計画の通り脳活動計測実験を実施する。オフラインでの実験実施であるため,感染状況などの社会情勢に左右される恐れがある。感染症対策を心がけ,被験者への安全性の説明を徹底する。
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Causes of Carryover |
昨今の社会情勢により半導体が不足しており,脳活動データの解析に使用する予定のワークスペースおよび脳活動計測に使用する予定の機器の入荷が大幅に遅れているため本年度内の決算に間に合わなかった。ワークスペースに関しては次年度の5月現在入荷が済んでおり,測定機器に関しても次年度中に順次購入していく予定である。
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