2021 Fiscal Year Research-status Report
量子幾何学的Langlands予想とW代数の新展開
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21K20317
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
元良 直輝 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (00909202)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 頂点代数 / W代数 / Langlands予想 / スクリーニング作用素 / 共形場理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では昨年度までに得られた結果について海外招待講演を3回行い、1本の査読付き論文が出版され、1本の論文が査読の結果、受理され出版予定である。2本とも国際共同研究である。 研究面では、(1)Thomas Creutzig、Andrew Linshawとの共同研究により、アファインosp(1|2n)代数がC型の同変W代数とフェルミオンとのテンソル積への埋め込みを構成した。その結果、アファインosp(1|2n)代数のアファインsp(2n)代数とB型のW代数による拡大としての記述を得た。系として、許容レベルの単純アファインosp(1|2n)代数のordinary加群の分類、加群の圏の半単純性や剛性を得た。また、結果はプレプリントとして提出し(arXiv:2203.08188)、論文は現在投稿中である。これは本研究課題の主要目的の一つであったが、この結果によりB型のW代数およびC型のアファイン代数の表現論の理解が大きく進展したといえる。(2) Drazen Adamovic, Thomas Creutzigとの共同研究により、Bershadosky-Polyakov代数からアファインsl3代数の表現を誘導する逆還元法を構成し、対数的共形場理論への応用が期待できるリラックス最高ウェイト表現の構成と既約性に関する結果を得た。この結果もプレプリントとして提出し(arXiv:2110.15203)、論文は現在投稿中である。この結果はAdamovicによるVirasoro代数からアファインsl2代数への逆還元法、Adamovic-川節-RidoutらによるZamolodchikov代数からBershadosky-Polyakov代数への逆還元法の結果の自然な一般化であり、これらの結果を用いることで対数的共形場理論の研究への一般的なアプローチにつながっていくと期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の主要目的の一つであったB型のW代数のコセット構成法に関する研究が進展したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の主要目的の一つであったB型のW代数のコセット構成法に関する予想を、当該年度の結果を用いて解決する。解決した後、Gaiotto-Rapcak予想や荒川-FrenkelによるW代数のツイスト表現に関する問題の解決へと応用し、量子幾何学的Langlandsプログラムの一般化に着手する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により予定していた出張が困難であったため。翌年度分の旅費として使用する。
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