2022 Fiscal Year Annual Research Report
利得スイッチ半導体レーザーを用いた不可逆変化のシングルショット測定
Project/Area Number |
21K20346
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 真隆 東京大学, 物性研究所, 助教 (30911838)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 利得スイッチ / 半導体レーザー / シングルショット |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、駆動エレクトロニクスを工夫することでパルス整形や繰り返し速度に柔軟な選択性を有する利得スイッチ半導体レーザーと、レーザー加工をはじめとする不可逆現象を観測可能なシングルショット分光手法とを組み合わせることで、電気的なトリガー信号を制御することで幅広い時間スケールで発生する不可逆変化ダイナミクスを一つの分光システムで全て観測することが可能な「マルチタイムスケール・シングルショット分光システム」を開発することを目的とした本研究を進めている。本年度はキャリア注入用のパルス電源装置の改良を主として取り組んだ。これまで使用してきたパルス電源装置は、注入できる電気パルスのパルス幅が100ピコ秒に固定されていたため、利得スイッチ半導体レーザーから出力される光パルスのパルス幅も固定されていた。そこでこのキャリア注入用電源装置を設計し直し、電気パルスのパルス幅をピコ秒~マイクロ秒スケールまで任意に変調可能にできるよう、パルス幅可変の駆動エレクトロニクスの作成と動作検証を進めてきた。結果として電気パルスのパルス幅を最短で200ピコ秒から数十マイクロ秒以上まで任意に変調可能な電源装置を作成でき、電気パルス幅に応じて利得スイッチ半導体レーザーから出力される光パルス幅も変調できることを確認した。またこの電源装置を複数台作成し、それぞれに利得スイッチ半導体レーザーを駆動させ同期させることで、ポンプ用パルス光とプローブ用パルス光としてそれぞれ機能できることも確認できた。これらの結果から、本研究におけるシングルショット分光システムの根幹となる部分はほぼ完成したと言える。
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Remarks |
https://aki.issp.u-tokyo.ac.jp/M_Kobayashi/index.html
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