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2021 Fiscal Year Research-status Report

イッテルビウムの431 nmの狭線幅遷移の探索

Research Project

Project/Area Number 21K20359
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

川崎 瑛生  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (40896635)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywords精密分光 / 狭線幅遷移探索 / レーザー冷却 / イッテルビウム
Outline of Annual Research Achievements

本年度はイッテルビウムの431 nm遷移の探索の準備として、イッテルビウム171のレーザー冷却ならびに431 nmレーザーの開発、分光の測定の際に必要な光検出器の開発を行った。
レーザー冷却は第1段階の399 nm遷移を用いた磁気光学トラップ(MOT)から第2段階の556 nm遷移を用いたMOTに原子を移すシークエンスを確立した。Absorption imagingによるTime of Flightの測定から冷却した原子の温度を測定し、第2段階のMOTに用いる光の周波数とパワーを調整することで10 μKまで冷却できることを確認した。MOTの諸パラメータを調整することにより精密分光を行うにあたり十分な量の原子をトラップできている。
431 nmのレーザーは現在恒常的には使っていないチタンサファイアレーザーの波長を862 nmに合わせ、これをSecond Harmonics Generationで倍の周波数の光を生成することで実現した。しかしながら、当初使用予定であったwaveguide PPLNの変換効率が要求水準に満たず、メーカーに再調整を依頼している間にバックアップについても検討した。最終的にはメーカーから再配送されたwaveguide PPLNが十分な効率を示した。周波数の安定化は862 nmの光をULEキャビティにロックされた光周波数コムにロックすることによって実現した。
光検出器はSilicon Photomultiplierを導入したものの、光子1つ1つが入ってきた際のシグナルのDecayが速すぎ、またシグナルのS/N比も比較的小さかったので、積分並びに増幅を行う帯域の広い増幅回路を開発、作成した。これに関してのテストも完了し、すでに装置に組み込まれている状態である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初はWaveguide PPLNは到着すれば多少の特徴づけを行えばすぐに使えることになると期待していたものの最初に送られてきた製品の変換効率が非常に悪かった。このためバックアッププランを策定していた関係で当初想定していたよりも進捗は遅くなっている。しかしながら再送されたPPLNの納期までの間に精密分光を行うための検出器やシークエンスの準備はしたので、遅れは最小限にとどめている。原子のレーザー冷却に関しては当初目標にしていた10 μKまでの冷却を実現しているので順調である。

Strategy for Future Research Activity

今後は、431 nmの遷移の探索すべく、準備の最終段階を行う。具体的には、まずSaturation broadeningを狙ったできる限りのハイパワー化、シークエンスの最終確認などである。ひとたび遷移の探索が始まると、遷移観測の兆候があるまでは理論計算による予測値から始めて周波数を変化させながらしらみつぶしにどの周波数に遷移があるのかを探すことになる。この作業がいつまで続くのかは理論値がどのくらい実際の値に近いかに強く依存するので、予測が難しい。もしすぐに遷移が見つかれば、レーザーのパワーを落としていってAC Stark shift等の影響などを除いていき、共鳴周波数の絶対値を確定させる作業に移行する。目標の精度は1 kHzである。この作業も順調に進んだ場合はイッテルビウムのその他の同位体をトラップして同位体シフトの測定に移行する。

Causes of Carryover

年度末に契約したため契約済み繰越となったものの、納品・支払いが年度内に終わらなかったので2021年度の支出には含めないため。「バックアップ」のSHGシステムとして検討したPPKTP結晶購入のために使用し、2022年4月に納品、支払いが完了している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 Other

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Search for the 4f146s2 1S0-4f135d6s2(J=2) transition in Yb towards a search f or the time variation of fine structure constant2022

    • Author(s)
      川崎瑛生
    • Organizer
      53rd Annual Meeting of the APS Division of Atomic, Molecular and Optical Physics
    • Int'l Joint Research
  • [Remarks] 川崎瑛生のウェブページ

    • URL

      https://staff.aist.go.jp/akio.kawasaki/JPN.html

URL: 

Published: 2022-12-28  

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