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2021 Fiscal Year Research-status Report

小スケール天体現象の理解に基づく初代銀河形成シミュレーション: 星団形成の影響

Research Project

Project/Area Number 21K20373
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

杉村 和幸  東北大学, 理学研究科, 特任助教 (10773856)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywords初代銀河 / 銀河形成 / 星団 / 巨大ブラックホール
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、ビッグバンから現在に至る銀河形成史の最初のマイルストーンとして宇宙で最初の銀河 (初代銀河)の形成過程に着目し、その解明に取り組んでいる。小スケールの宇宙物理現象の理解と大規模数値流体シミュレーションを組み合わせることで、初代銀河形成過程を計算機の中で整合的に再現し、さらに、昨年に打ち上げられたJWST衛星を始めとする次世代初代銀河観測とも連携することで、初代銀河形成の新たな描像をもたらすことが本研究の目的である。初代銀河形成後の宇宙の進化は初代銀河の性質に大きく左右されると考えられており、初代銀河形成過程の解明は宇宙に関係する幅広い研究分野に大きな波及効果を持つ重要なテーマと言える。
現在、銀河を構成する星々の主な形成現場と考えられている星団の形成について、最新の研究成果を組み込んだ初代銀河形成の大規模数値流体シミュレーションに取り組んでいる。初代銀河形成の際に起こる星団形成過程を整合的に記述することで、より現実に近い形で初代銀河形成過程をミュレーションするのが目的である。
当該年度に実施した研究の主な成果として、公開コード 「RAMSES」(Teyssier 2002)をベースに高密度ガス雲からの星団形成モジュールを新たに実装して開発した独自のコードを用いて、初代銀河がビッグバンの始まりから約5億年かけて形成する過程のシミュレーションをおこない、初代銀河形成シミュレーションの初期成果を得ることができたことがあげられる。その結果から、初代銀河形成の際に星形成がバースト的に起こることや、巨大ブラックホールの種のガス降着による成長が典型的には非効率であることなど、初代銀河形成過程についての新たな知見が得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上述のように、公開コード 「RAMSES」(Teyssier 2002)をベースに新たに開発した独自のコードを用いて、初代銀河がビッグバンの始まりから約5億年かけて形成する過程のシミュレーションをおこない、初代銀河形成シミュレーションの初期成果を得ることができたため、おおむね順調に進展しているという評価に至った。

ここで得られた初期成果については、すでに2022年春の天文学会年会にて口頭講演をおこなっている。今後、銀河中の星形成過程のモデルの違いが初代銀河形成過程に与える影響の系統だった理解について検討を進めた後に、本シミュレーションの結果に基づいた論文を学術誌に投稿する予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策としては、まず、これまでに実施済みのシミュレーションに加えて、異なる星形成過程のモデルを用いたシミュレーションもおこなって星形成過程のモデルの違いが初代銀河形成過程に与える影響の系統だった理解を確立する。そして、その結果について、学術論文として投稿する予定である。
その後、初代銀河シミュレーションのサンプルを増やすことで、初代銀河形成過程の多様性や普遍性について考察を進める予定である。それにより、初代銀河の形成時期や周囲の環境等の違いによって、銀河中の星形成史や銀河に含まれる巨大ブラックホールの性質がどのように変わるかについて明らかにする。
さらに、シミュレーションで得られた多数の初代銀河サンプルに対して疑似観測をおこない、初代銀河の観測的性質についての理論予言をおこなう。その結果に基づいて、次世代初代銀河観測との連携を進めていく予定である。

Causes of Carryover

シミュレーションの実施状況、および、購入可能な計算機の更新予想に基づき、データ解析用の計算機の購入を遅らせたのが次年度使用額が生じた主な理由である。次年度には計算機を購入予定であり、それにより次年度使用額を使用する計画である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 2 results)

  • [Int'l Joint Research] The University of Maryland(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      The University of Maryland
  • [Presentation] 小スケール天体現象の理解に基づく初代銀河形成シミュレーション2022

    • Author(s)
      杉村和幸、Massimo Ricotti, Jongwon Park
    • Organizer
      日本天文学会 2022年春季年会
  • [Presentation] 初代星形成シミュレーション2022

    • Author(s)
      杉村和幸
    • Organizer
      初代星・初代銀河研究会2021
    • Invited
  • [Presentation] Simulating the formation of first stars in the Universe: the birth of first-star binaries2021

    • Author(s)
      Kazuyuki Sugimura
    • Organizer
      AAPPS-DACG Workshop 2021
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2022-12-28  

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