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2021 Fiscal Year Research-status Report

生物起源炭酸塩コンクリーションの初期続成メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 21K20381
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

隈 隆成  名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 研究機関研究員 (00908121)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywordsコンクリーション / 化石化プロセス / 完新世 / 炭素同位体
Outline of Annual Research Achievements

これまでに名古屋港海底未固結堆積泥中から産出したウニ,カニ,貝などを核として形成された炭酸塩コンクリーションを対象に,顕微鏡観察,X線を用いた元素マッピングを行った.また,コンクリーション外殻部・内殻部・化石本体部に分けて,安定炭素同位体比分析,元素組成分析,鉱物組成分析,放射性炭素年代測定を行い,炭酸塩コンクリーションの成因とコンクリーションの形成年代を検討した.産状として,名古屋港のコンクリーションはサイズが数mm~数cmであった.また,コンクリーションは沖積層から産出しており,未固結な堆積物中で形成されたと考えられる.特にカニ類は,骨格が維持されていることから,死後,急速にコンクリーション化したことが示唆された.
顕微鏡観察及び元素マッピングの結果,すべてのコンクリーション部に,1 mm程度のペレットが観察された.主要鉱物組成はドロマイトであり,ドロマイトが沈殿するような嫌気的な堆積環境下でコンクリーションが形成されたことが示唆された.安定炭素同位体比は,化石本体部よりコンクリーション部の方が重い値を示し,放射性炭素年代はおおよそ8000年前という結果が得られたが,総じて化石本体部よりコンクリーション部の方が数百年ほど古い値を示した.これは,コンクリーション部には,ペレットともに土壌有機物に由来する古い炭素が含まれているからだと考えられる.約8000年前は縄文海進の時期に相当し,浅海域に生息していた生物が環境変化によって死滅し,化石化したと考えられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ウニ,カニ,貝などを核とした炭酸塩コンクリーションの各種分析を終えた.

Strategy for Future Research Activity

コンクリーション化した生物と現世生物の比較を行うために,愛知県の藤前干潟にて生物試料の採取を行う.これらの現生生物の試料に対しても,コンクリーションに対して行った分析と同様の分析を行うことにより,コンクリーションの形成メカニズムを探る.当該年度では,covid-19の影響で炭素・酸素安定同位体比分析を行うための出張ができず,予算の繰越が生じた.この繰越分は,炭素・酸素安定同位体比分析の外部委託の費用に用いる計画である.

Causes of Carryover

covid-19の影響により予定していた分析のための出張が行えなかった。繰り越し分は委託分析の費用に用いる予定である。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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