2022 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造制御による多機能性磁気熱電変換複合材料の創製
Project/Area Number |
21K20408
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 飛鳥 九州工業大学, 環境エネルギー融合研究センター, 助教 (10911274)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 熱電変換 / 強磁性体 / ハロゲン化ペロブスカイト |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性熱電現象の一つであるゼーベック駆動横型熱電効果の原理解明・出力向上に向けた研究を推進した。ゼーベック駆動横型熱電変換効果とは、強磁性体と熱電半導体を組み合わせて閉回路を構築した系において温度勾配と直交する方向に強磁性体単体より大きな熱起電力が発生する現象である。半導体であるバルクSiと強磁性体であるハーフホイスラー合金Co2MnGa薄膜を組み合わせた系ではCo2MnGa薄膜単体に比べ1桁大きな横熱起電力を示すことが報告されている。本研究では特に、バルクCo2MnGaを用いた系において、Co2MnGa薄膜を用いた系に比べ出力が3桁向上することを実証した。 また、熱電半導体としてハロゲン化ペロブスカイトにも注目し熱電変換に関する研究を行った。ハロゲン化ペロブスカイトは簡易な塗布プロセスにより薄膜合成が可能な環境負荷の低い材料である。加えて、フレキシブル基板を用いることで曲面に対しても利用できるという特長を有する。本研究では、p型半導体であるCsSnI3およびn型半導体であるCs2SnI6を熱電変換材料として開発し、従来の材料に比べ高い熱電変換性能を有していることを示した。特に、従来ほぼ報告が行われていなかったn型ハロゲン化ペロブスカイト熱電変換材料に関しては、Cs2SnI6の熱電変換性能が従来材料に比べ1~2桁高い性能を有していることを明らかにした。 自身の研究のみならず、大学内外の研究者との共同研究にも大きく貢献し、当初の想定を超えた相乗効果も得られた。
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