2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of deformation law of metallic glasses based on local atomic level analysis
Project/Area Number |
21K20418
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
Ivan Lobzenko 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 博士研究員 (30802293)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | Metallic glass / Atomic stress / First-principles |
Outline of Annual Research Achievements |
金属ガラス(MG)の機械的性質の起源はほとんど明らかになっておらず、密度汎関数理論(DFT)に基づく信頼性の高い第一原理計算手法は、MGの変形機構の理解の有効な手段になり得る。しかし、このような理論的研究は大規模な計算資源を必要とするため、非晶質材料の分野ではほとんど行われてこなかった。 本研究では、応力状態を原子レベルで特徴づけるために、DFTにおける原子応力計算というユニークな方法を採用しました。原子応力計算は古典的なMDでは一般的であり、これまでの研究で原子応力に関する相当量のデータが得られている。しかし、DFTでは原子のペアフォースが利用できないため、その枠組みでの原子応力の計算方法は古典的MDでの原子応力とは異なり、結果を直接比較することができない。原子応力に基づくフォン・ミーゼス応力は、本研究で初めて示されたように、DFTとMDで同じ挙動を示しており、その問題を解決することが確認された。 また、本研究の意義は、CuZrアモルファス系のせん断ひずみによる変化を示す局所パラメータについて、応力や原子位置変化など古典的MDで得られるパラメータと、電荷移動、局所状態密度(PDOS)の変化などDFTでしか得られないパラメータを含む一貫したデータセットを構築したことにある。このデータセットに基づき、原子のフォンミーゼス応力とフェルミレベル近傍のPDOS変化との間に弱い相関があることを立証した。また、d軌道のPDOS変化はZr原子の方が大きく、これはZrの結合がより方向性を持つことを説明する。したがって、本研究は、電子状態の変化に関する情報によって、これまで知られていた金属ガラスの変形の理解を深めるものである。
|