2021 Fiscal Year Research-status Report
自律移動ロボットに対する情報削減的計測戦略を有した経路計画・追従システムの構築
Project/Area Number |
21K20425
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
舩田 陸 東京工業大学, 工学院, 助教 (50844247)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 制御工学 / 自律移動ロボット / 経路計画 / 追従制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,目的地到達に必要な環境情報のみに注意を払う効率的な計測によって,未知環境での自律移動を達成する経路計画・追従制御手法の構築を目的としている.この達成に向けて,(1)センサから推定・制御系に流れる情報量を表す指標の導入と,その指標を計測頻度や解像度といったセンサ特性に関連付けた計測戦略の提案,(2)障害物がある環境下において確率分布として表現したロボットが辿るべき経路の策定,(3)センサを搭載した移動ロボットによる実験システムの構築に取り組んだ. まず,(1)に関して,環境推定・制御に伴う処理量を削減するために,有向情報量と呼ばれる指標の削減を通じてセンサ特性を操作する計測戦略を提案した.具体的には,センサの空間分解能の大小と結びつけた有向情報量を最小化することで,少ない計測で所望の経路追従性能を満たす計測戦略を構築した.本成果は国際会議論文にまとめ,採録された.また,計測戦略にかかる計算コストの削減を意図した手法も提案し,国際会議論文に採録され,発表予定である. つぎに,(2)に関して,経路の軌道と追従時の計測戦略を同時に計画する手法を提案した.また,シミュレーションを通じて,提案手法によって生成された経路により,ロボットがより少ない計測で目標位置に到達できることを確認した.本結果は,現在学術論文雑誌へ投稿中である.また,実際に経路を辿る際には,動的な障害物との回避が要求されうる.このために,正規分布として表現されたロボットや障害物を楕円体と解釈し,楕円体同士の障害物回避手法を提案した.この結果は国際会議論文とし投稿し,採録された. 最後に,(3)に関しては移動ロボットを用いた実験システムを構築を進めている.本実験システムを活用した成果は,国際学会発表において発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
課題(1)に関しては,当初の計画通り,センサから推定・制御系に流れる情報量を有向情報量として定量化し,解像度・計測頻度といったセンサ特性の関数として表現できた.これにより,有向情報量を削減することで,少ない計測コストで目標地点へ到達する計測戦略を構築することにも成功した.また,計測戦略自体にかかる計算コストの削減につながる手法の提案もできたことは,当初の計画以上の進展であると評価する. 課題(2)に関しても,当初の予定通り,経路と追従時の計測戦略を同時に計画する手法を提案できた.また,幅広い設定下においてシミュレーション検証を実施し,提案手法の有効性を確認できたのも特筆すべき成果である.また,当初は予定していなかった,ロボット位置の正規分布を模した楕円体に適用可能な衝突回避手法を構築できたことからも,当初の期待以上の成果を生むことができたと評価できる. 最後に,課題(3)に関しては,構築した実験システムを用いて,種々の実験検証を実施できていることを踏まえると,極めて順調に進んでいるといえる. 以上を勘案して,本研究課題は(1)当初の計画以上に進展している,と評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
課題(1)に関しては,より広範なセンサに対して,導入した有向情報量との関連性を考察する.また,ロボットが高速で移動している際には,精密な計測が難しいといったように,センサの特性がロボットの運動と深く関連しているという場合も実システムでは起こりうる.このような対象にも提案手法が拡張できないか検討する.課題(2)に関しては,今年度提案した楕円体エージェントの衝突回避手法と経路・計測戦略計画手法の一般化や検証を進めていく.課題(3)に関しては,前年度までに構築したシステムを,複数種のセンサを搭載したロボットが扱えるように拡張した上で,提案手法の有効性検証を実施する.
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Research Products
(8 results)