2021 Fiscal Year Research-status Report
次世代高性能複数統合型モータを実現する磁気回路モデルベース統合設計手法の開発
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21K20427
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
日高 勇気 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (30908398)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 複数統合型モータ / 統合設計法 / 磁気回路 / 巻線界磁モータ / 永久磁石モータ |
Outline of Annual Research Achievements |
電気自動車用モータでは、市街地走行時のような比較的低速で高効率な動作が求められる動作域と、高速走行時のような高い出力で加速感がある動作が求められる動作域は、磁気設計的にトレードオフの特性となる。そのため、本研究では、市街地走行に適した巻線界磁モータと、高速走行に適した永久磁石モータを、長所を維持したまま統合する、複数統合型モータの設計法を開発する。また、長所を余すことなく統合する設計法実現のため、従来の磁界解析ベースの設計ではなく、磁気回路モデルベースでの統合設計を確立する。 本年度は、上記目的の達成のため、磁気回路モデルベース設計法の基礎検証を実施した。具体的には、巻線界磁モータと永久磁石モータを非線形磁気特性を考慮した磁気回路モデルで表現し、電磁界解析および実測と比較した。その結果、電磁界解析で得られた結果や、実測で得られた結果と遜色のない磁気特性計算が可能となった。本成果を、IEEE主催の国際会議であるECCE 2021で発表し、モータモデリング法の独自性について高い評価が得られた。また、磁気回路モデルを用いた最適化を実現するため、遺伝的アルゴリズムと開発モデル手法を連携し、磁気回路モデルを用いた統合設計実現に向けた、最適化エンジンのベースを作成完了した。本結果を、電気学会主催の研究会で発表し、モータ製造メーカ・ソフトウェアベンダーの技術者と議論を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、本年度は磁気回路モデルの作成完了を目標としていた。対して、これまでの実績から、磁気回路モデルの作成を完了するのみでなく、最適化エンジンのベース作成までを完了することができた。このため、次年度に計画していた、磁気回路モデルを用いた最適化設計において、最適化手法の確立だけでなく、機械学習・深層学習などと連携した、最適化計算時間の削減までも着手できる見通しがった。モータの最適化設計では、計算時間の削減が常に課題となるため、AIとの連携は実用的な最適化設計技術の実現に非常に効果的である。これらの進捗状況から、本研究は当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、磁気回路モデルを用いた最適化設計の実現を進める。また、開発した最適化法を複数統合モータに実際に適用し、その有用性を検証する。また、これまでの実績から、本研究で対象とする最適化技術においても、計算時間の膨大化が課題となることが分かった。そこで、機械学習や深層学習と最適化法を連携し、最適化計算にかかる計算時間の削減を目指す。
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