2022 Fiscal Year Annual Research Report
板曲げを受ける接着接合部の疲労強度の評価と疲労設計法の提案
Project/Area Number |
21K20442
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
THAY VISAL 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 助教 (90903667)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 接着接合部 / 疲労強度 / 疲労設計法 / 応力比 / 静的強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,接着接合部の静的強度,接着接合部の疲労強度を実験的・解析的に検討し,接着接合の疲労強度を一般化し,接着接合部の設計法を提案する.さらに,接着接合部のはく離強度の向上を目的として,接着接合の端部形状を検討し,適用範囲を拡大する.令和4年度には,前年度の令和3年度に引き続き,研究を実験的・解析的に実施するとともに,最終年度として,研究成果の取りまとめを行った.研究実績の概要は以下の通りである. 接着接合部のはく離時の静的強度については,静的曲げ試験によって評価し,静的強度を示しました.接着接合部の疲労強度の評価では,振動型疲労試験機による曲げ疲労試験を行った.応力比の違いに着目して接着接合部の疲労強度を評価するために疲労試験を実施し,はく離長さと繰返し荷重の関係およびS-N線図で整理した.その結果,主応力比Δσpe/σpe_db(はく離時の主応力σpe_dbに対する主応力範囲Δσpeの比)と繰返し回数の関係で接着接合部の疲労強度を評価すると,本研究で検討した応力比R=0.07~0.5のとき,疲労寿命および進展寿命は応力比によらず一定の線形で評価することが可能である.また,本研究で検討した接着接合部の疲労限(1000万回)についても示した.有限要素解析により,はく離をモデル化して,はく離先端の応力拡大係数を算定し,線形破壊力学に基づいてはく離の進展解析を行い,疲労寿命の推定が可能であることが確認できた.端部形状の検討では,まず,有限要素解析により,接着剤中に生じる力の流れと接着端部の応力状態を明らかにし,応力緩和を確認した.
|