2022 Fiscal Year Annual Research Report
オイルタンク群に作用する津波荷重および耐津波設計に関する研究
Project/Area Number |
21K20453
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
丁 威 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (70901768)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 連棟配置されたオイルタンク群 / 水理実験 / 津波波圧・波力の特性 / 耐津波設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,沿岸部に建設される複数の中型鋼製オイルタンク群を対象とし,タンク群の配置パターンが津波波圧・波力に及ぼす影響を水理実験により把握し,荷重低減の観点から適切な配置を検討し,複数棟配置の耐津波設計を提案した。本実験では、配置パターンは単棟,2棟,3棟を三角形に配置,3棟を直列に配置の4ケースとした。模型前後に流速計と波高計を設置した。模型の表面に圧力センサーを18ヶ所設置し,津波波圧を測定した。同時に,片持ちの鋼板を用い,模型に作用する津波波力を測定した。配置パターンごとに津波入射方向βと無次元隣棟間隔S/Dが津波波圧・波力に及ぼす影響を明らかにした。単棟配置時の最大波力と比較した場合,連棟配置時の最大波力は津波入射角の違いにより,増加・減少のいずれの場合もあることが分かった。入射角β=0 ~ 30°シールド効果により正面波圧が減少し,波力が減少する。β=60 ~ 90°堰き止め効果により側面波圧が増加し,波力が増大する。特に2棟配置の場合は、入射角β=45°がその境界となっていることが分かった。隣棟間隔S/Dは狭くなるにつれて,シールド効果となる配置ではより波力は小さくなり,堰き止め効果となる配置ではより波力は大きくなる。以上の実験で得られた知見に基づき,複数棟オイルタンク配置の耐津波設計を検討した。配置位置に対する設計荷重は単棟の場合の倍率 (α)を設定することを提案した。配置位置は外周かつ列の端部(a),外周かつ列の端部以外(b)外周の内側(c)の3種類に分類した。(a)(b)では津波入射角度がβ = 60 ~ 90°の場合は単棟に対する荷重倍率(α = 1.1~1.7)を用いて設計する。(a)(b)の上記以外の角度と(c)では安全側の設計となるように単棟の設計荷重を用いる。タンク周りの詳細な流れを再現するため,CFD引き続き研究を継続する予定である。
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Research Products
(2 results)