• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

同時多発火災時のリアルタイム避難誘導に関する研究:出火点に応じた見切り時刻の評価

Research Project

Project/Area Number 21K20454
Research InstitutionBuilding Research Institute

Principal Investigator

鈴木 雄太  国立研究開発法人建築研究所, 防火研究グループ, 研究員 (80909177)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywords同時多発火災 / 避難誘導 / 避難シミュレーション / 地震火災
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,大地震後の同時多発火災時のリアルタイム避難誘導手法の確立を目指し,出火点分布が及ぼす住民の「避難のしやすさ」への影響要因を明らかにすることで,出火点による道路ネットワークの閉塞状況に基づいて各地域の避難開始時刻の安全上の限界(以下,見切り時刻)を評価する手法を構築することが目的である.
令和3年度は,見切り時刻の評価手法を構築する準備として,「避難のしやすさ」の定義,自由避難シミュレーション実験に基づく避難場所到達率への影響要因の整理・考察,「避難のしやすさ」が高い状況に関する仮説,「避難のしやすさ」を評価するための避難開始地点と避難場所を結ぶ複数経路(以下,候補避難経路セット)の抽出方法の検討を行った.
避難者にとって目前の火災のみを避けながら最短経路で避難場所に移動する行動を自由避難としてモデル化し,自由避難によって最終的に避難場所に到達できる道路ネットワーク状況を「避難のしやすさ」と定義した.その後,大井競馬場・しながわ区民公園一帯を対象として,コンピュータシミュレーションによる自由避難実験を繰り返し実施し,遭遇火災数と避難場所への到達率を評価した.この結果より,”自由避難において火災遭遇による2回以下の経路変更ののち,火災に遭遇しない安全な経路を選択できるネットワーク状況”が「避難のしやすさ」が高い状況であるという仮説を設定した.また,確率的に生成した出火点に対して経路探索を繰り返し行い,候補避難経路セットを構築する手法を検討し,特定の出火点に対して,候補経路が途絶される様相をGIS上で可視化・考察を行った.
以上の成果より,令和4年度には火災に対する道路ネットワーク状況より「避難のしやすさ」を定量的に評価するモデルを構築し,「避難のしやすさ」と避難場所到達率の比較検証及び「避難のしやすさ」に基づく見切り時刻の評価手法を構築する.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和3年度は,同時多発火災時における「避難のしやすさ」の定義,シミュレーション実験による「避難のしやすさ」と火災遭遇回数の関係の分析,「避難のしやすさ」が高い状況の仮説の設定,「避難のしやすさ」の指標化及び評価手法の構築に必要なGISデータの整理を行った.当初の予定通り,出火点に対する見切り時刻の評価手法の構築における具体的な方針の設定及び必要なデータの整備が完了した.

Strategy for Future Research Activity

令和4年度は,「避難のしやすさ」を表す定量的な指標を検討し,「避難のしやすさ」に基づき見切り時刻を評価する手法を検討する.令和3年度に抽出した候補避難経路セットを用いて,経路変更時の迂回コストを考慮した上で,”複数の候補経路を使用して避難した際に最後に選択した経路における火災への遭遇確率”として,「避難のしやすさ」の指標化を試みる.この指標に基づき見切り時刻を設定する場合と見切り時刻を固定して設定する場合において自由避難シミュレーションの避難場所到達率を評価・比較を行うことで,本手法の有効性を検証する.本シミュレーション実験にはモンテカルロ法を用いるため,適切な試行回数の設定及び現実的な計算時間を達成するために,計算機の追加導入を行う.

Causes of Carryover

避難シミュレーション実験に必要な計算機及びソフトウェアが予定した金額よりも安価であったこと,新型コロナウィルスの影響により学会や木密地域の視察等の旅費が不要であったことにより,次年度に繰り越す金額が生じた.この金額は,次年度のシミュレーション実験・分析環境の効率化のための追加の計算機及びソフトウェアのオプション購入に充当する予定である.

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi