2022 Fiscal Year Research-status Report
縦長開口が不規則に配置されたRC連層耐震壁の耐力低減率に関する研究
Project/Area Number |
21K20465
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
劉 虹 東京理科大学, 理工学部建築学科, 助教 (00907967)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 連層耐震壁 / 鉄筋コンクリート / 縦長開口 / 垂れ壁付き梁 / 枠梁 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁に対する耐力低減率を提案することを目的とする。そのため,本年度はまず縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁試験体を対象に,FEMシミュレーション解析を行い,当該試験体の耐荷・変形性能を検討するとともに,変数解析により開口位置が当該部材の崩壊機構に及ぼす影響を検討した。さらに,実験で観測された残留ひび割れ幅に着目し当該部材の変形性状を確認した。その結果,開口位置にかかわらず,開口上下の中間梁に最大残留ひび割れ幅が観測された傾向を確認できた。また開口形状・配置が耐震壁の損傷性状に与える影響を明らかにするため,実験結果に基づいて試験体同士の同じ位置での残留ひび割れ幅の違いに焦点を当てて分析し,試験体全体および耐震壁の構成要素の変形性状を検討した。今後は試験体全体および耐震壁の構成要素の変形に着目した実験データを整理するとともに,試験体の全体および局所の変形情報などとの関係も含めて詳細な分析を行う。これらの検討結果に基づいて開口上下の中間梁を対象に,変数解析および要素実験を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁の性能評価法を提案するため,上下層における開口の配置や梁型が中間梁の耐震性能に与える影響を明らかにすることが極めて重要である。そのため,当初計画した実験内容を変更する必要があり,実施が遅延しているが,中間梁の要素実験の事前計画までは終了した。実験は2023年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
縦長開口が不規則に配置された連層耐震壁の性能評価法を提案するために,開口間の梁のせん断力を評価することが重要である。特に,開口間の枠梁の脆性破壊を防止するために, 中間階の梁のせん断強度を算定する際,開口が不規則的に配置された場合において,クリアスパン長さの取り方も明確な定義がない。連層耐震壁の実験を実施する前に,梁の要素解析および要素実験により上下層における開口の配置や梁型が中間梁の耐震性能に与える影響を解明することが重要である。そのため,今年度では縦長開口連層耐震壁における中間梁の高精度な性能評価モデルを構築し, FEM解析を通して実験条件および試験体変数を明確し,中間梁の要素実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画が遅れているため,次年度から試験体の発注や実験備品の購入などに利用する予定である。
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Research Products
(1 results)