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2021 Fiscal Year Research-status Report

高濃度酸素固溶チタン積層造形材における高延性発現機構の解明

Research Project

Project/Area Number 21K20488
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

刈屋 翔太  大阪大学, 接合科学研究所, 特任助教(常勤) (10912727)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywordsチタニウム / 積層造形 / 固溶強化 / 力学特性等方化
Outline of Annual Research Achievements

これまでに,微細acicular組織を有するチタン積層造形合金において,酸素を固溶することで,強度延性バランスに優れた引張特性を発現することを明らかにした.本研究では,強度向上と同時に高延性を発現する力学挙動の解明を目的に,これら組織構造因子と変形機構の関係を解き明かす.まず,その組織形成について,酸素固溶量0.15%までは,造形方向に{0001}が配向した粗大な柱状晶組織を形成したのに対し,0.35%以降では,微細な針状粒からなるacicular組織へと変化した.この要因として,酸素固溶量にともなって拡大するα相とβ相の共存域と固溶酸素によるソリュートドラッグ効果が考えられる.そこで,固溶に伴って共存域が拡大し続ける酸素でなく,固溶に伴う共存域の拡大の後に縮小する炭素を用いてこれを検証した結果,Ti-0.09% Cにてacicular組織となった後,Ti-0.70% Cにて造形方向に{11-20}が配向した柱状晶組織となった.したがって,acicular組織の形成はα相とβ相の共存域の拡大に起因すると結論付けられる.次に,Ti-0.35%O積層造形体について,造形時の投入エネルギー密度による組織制御を試みた結果,68~95 J/mm3では無秩序な配向を有する集合組織内に針状粒が形成されたacicular組織となり,136~274 J/mm3では,造形方向に{001}が配向した柱状晶の集合組織内に針状粒が形成されたacicular組織となることを確認した.さらに,投入エネルギー密度が455 J/mm3を超えると平均結晶粒径10 μm程度の等軸粒ライクからなる等方的な組織を形成することを明らかにした.これらの組織形成には,投入エネルギー密度によって変化する冷却速度が支配的されているものと考えられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上述の通り,Ti-O積層造形合金の組織形成について,酸素固溶量および造形条件と造形組織の関係を調査し,その機構を明らかにしたことから本研究に関する進捗状況はおおむね順調に進展したと言える.

Strategy for Future Research Activity

酸素固溶量と造形条件をパラメータとして,異なる組織(等方性/異方性集合組織からなるacicular組織,等方性等軸粒組織)を有するTi-O積層造形合金試料を作製し,その引張変形挙動について,SEM内引張その場観察におけるEBSD-KAM解析を用いた歪み導入領域の同定(動的な変形挙動解析)を行い,acicular α/α’粒の結晶方位・配向性とTi-O積層造形合金のマクロ変形機構の関係を解明する.これらの結果に関する包括的な理解を通じて,強度向上と同時に高延性を発現する力学挙動の解明を達成する.

Causes of Carryover

科研費の使用に関する理解が足りず,少額の未使用が発生した.令和4年度の研究費における試験片加工費として使用したい.

URL: 

Published: 2022-12-28  

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