2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K20514
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
宮島 浩樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 特任教員(助教) (80905589)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞足場 / ハイドロゲル / 幹細胞 / 細胞分化 / 光制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分化を制御する試みは、細胞機能解析や組織再生など再生医療における基礎から応用まで幅広い領域への貢献が期待できる。細胞の分化制御のための機能性材料開発に向けて、光刺激に応答して機能化するハイドロゲルを作製し、得られたハイドロゲルを細胞培養のための足場材料とすることで、細胞足場を介した幹細胞の分化制御を実証した。光刺激によって構造が変化する光応答性化合物を光スイッチとして応用し、その光スイッチと間葉系幹細胞の骨分化誘導因子を組み合わせた光スイッチ導入骨分化誘導因子を合成した。高分子鎖に光スイッチ導入骨分化誘導因子を結合させて高分子ハイドロゲルを作製した。得られたハイドロゲルに対して様々な条件で光を照射し、光刺激によるハイドロゲルからの骨分化誘導因子の放出挙動について調査した。作製したハイドロゲル上で間葉系幹細胞の骨分化培養を行ったところ、光照射処理を施したハイドロゲル上で培養した間葉系幹細胞の骨分化が促進される結果を得た。したがって、ハイドロゲルに組み込んだ光スイッチが光刺激によって応答し、光照射されたときのみ高分子鎖に組み込んだ骨分化誘導因子が機能し、ハイドロゲル上の間葉系幹細胞の骨分化が促進されたものと考えられる。本研究で実証した細胞足場となる材料に特定の刺激を付与することによって細胞分化を制御する技術は、刺激応答性材料を応用した細胞機能制御法の1つの手法として、分子設計や材料研究を基軸とした工学的側面からも再生医療の発展に寄与できる可能性を示す結果となった。
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