2022 Fiscal Year Research-status Report
血管内シェアストレスは心血管イベントを予測できるのか?
Project/Area Number |
21K20522
|
Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
宍倉 大介 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60912368)
|
Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
Keywords | 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、血流による物理的刺激である血管内ずり応力(シェアストレス)と心血管イベント発症につながる冠動脈内粥腫性動脈硬化病変と進展、さらにはステント留置後の再狭窄との関係性を解明し、心血管イベント発症予防、並びに最適な治療法の確立を目的とする。この目的を達成するために、A). 心血管イベントの責任血管病変における破綻プラーク形態とコンピューターによる流体力学的数値解析(Computational Fluid Dynamics)を用いた物理的刺激、すなわちずり応力(シェアストレス)との関係の解明研究。B).冠動脈イベントの非責任血管病変における脂質コアプラーク形成・進展と血管内ずり応力の関係の解明研究。C).ステント留置直後の血管内ずり応力の、1年後におけるステント内血管内皮新生におよぼす影響について明らかにすることである。研究を開始後、現在、症例登録は20例行った。メルボルン大学医療エンジニアチームとは、定期的にZOOMを使用してミーティングを行い症例の共有、かつ解析について協議を行っている。その中で、当初30例登録予定であったが、解析コストなどのこともあり20例に減らす方針となった。よって、現在症例登録は終了し、解析を進めているところである。症例データに関しては、個人情報を特定できないように匿名化行い、電子媒体を通してメルボルン大学にデータを送付して解析を行っている。現在、CFDによる解析は18例まで終了しており、あと2例の解析にてCFD解析は終了予定である。そのあとは、20例のデータをもとに、統計解析など行い、結果をまとめていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、倫理審査に時間を要したため研究開始に遅れがあったが、現在解析進行中であり、おおむね進行状況としては順調である。
|
Strategy for Future Research Activity |
解析を進め、結果の解析・統計を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
進行状況の遅れに伴い、費用のかかる解析が次年度に移行したため。現在、進行している解析に必要なコストはまだ請求されておらず、おそらく解析が終了する今年度に請求される見込みであり、解析ソフト使用料などに予算を使用する予定である。また今年度は本研究に関する海外の学術集会などに参加予定であり、海外学会の参加費・渡航費などに使用予定である。
|