2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of the photochromic molecular crystal indicating shape memory effect by light irradiation
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21K20542
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
西村 涼 立教大学, 理学部, 助教 (00908634)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | フォトクロミズム / 有機結晶 / 構造相転移 / ジアリールエテン / 形状記憶効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、光照射により形状記憶効果、超弾性等のメカニカルな結晶の機能の創出を目指したものである。近年、有機超弾性の報告例がいくつか報告されているが、その例はいまだ少なく、また、光制御した例はない。そこで、有機超弾性現象、形状記憶効果等の光制御が実現すれば、フォトクロミック有機結晶のソフトロボットとしての応用のみならず、フォトメカニカル材料及び結晶材料の新たな学理の構築へと繋がる。 最終年度も初年度と同様に、分子の合成と結晶の作成を試みた。初年度は、これまでに我々が報告した分子の類縁体を合成し光応答性の評価を行ったが、目的の機能発現には至らなかった。最終年度は、少しアプローチを変えて、分子設計、合成、結晶の作成を行った。 これまでに報告されている有機超弾性結晶の分子構造を部分構造として含む誘導体等をいくつか合成し、結晶の作成、光応答性を評価した。 作成した結晶の単結晶X線構造解析を行い結晶中での分子のパッキングを明らかにした。また、その結晶に対して光照射をしたり、機械的刺激を加えたり(結晶をピンセットでつまみ曲げる等)したが、弾性は示したものの、超弾性は示さなかった。 しかし、その中の一つの分子が、当初の目的とは異なるが非常に面白い挙動を示した。その挙動の評価等も行い、論文化まで進めた。この研究に関しては、今後も様々な展開が期待される。 本研究課題に関しては、また、現在も新たな分子設計を考え、合成を進めているところである。
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Research Products
(7 results)