2021 Fiscal Year Research-status Report
凹型欠損サイトを有するポリオキソメタレートを基盤とした触媒開発と特性制御
Project/Area Number |
21K20559
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
湊 拓生 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (50902475)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | ポリオキソメタレート / 金属多核構造 / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
高活性・高機能触媒実現のためには触媒反応活性点の精密な構造制御が必要不可欠である。分子状金属酸化物クラスターである欠損型ポリオキソメタレート (POM)は無機多座配位子として機能し、導入した金属活性点構造を原子レベルで制御することができる。しかし、多核金属活性点においては、多電子的な酸化還元反応が期待される一方で、活性点同士の縮合反応等により触媒としての利用が困難であるという問題があった。本研究では凹型の欠損サイトを有するPOMを新規に合成し鋳型として用いることで、金属多核構造の一部をPOM骨格に埋没させ従来の欠点を克服した金属多核活性点を有する高活性・高機能触媒の開発を行う。本年度は六欠損型POMと六欠損POMの縮合反応による七欠損型POMの合成を行い、カチオン交換によって有機溶媒に可溶な凹型の欠損サイトを有するPOMの合成が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は六欠損型POMと六欠損POMの縮合反応による七欠損型POMの合成を行い、カチオン交換によって有機溶媒に可溶な凹型の欠損サイトを有するPOMの合成が示唆された。得られた化合物はNMRシグナルがブロードで同定のためには結晶化と単結晶X線構造解析が必要となるが、今のところ単結晶を得ることはできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
有機溶媒に可溶な凹型の欠損サイトを有するPOMの結晶化のために、様々な良溶媒・貧溶媒の組み合わせを試すことが必要であるほか、構造の安定化を図り金属の導入も行う。
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