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2021 Fiscal Year Research-status Report

Visualize the interaction between mycovirus and host filamentous fungi

Research Project

Project/Area Number 21K20567
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

黒木 美沙  筑波大学, 生命環境系, 研究員 (20910904)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywords糸状菌 / 二次代謝 / ウイルス / 相互作用 / DEGs / アスペルギルス
Outline of Annual Research Achievements

マイコウイルスが宿主に与える影響を多数の菌株を用いて観察し、その共通点や相違点を俯瞰することを目的とした。マイコウイルスは宿主に表面的な変化を与える例が少ないため研究例が限られており、複数の菌種や複数のウイルス種に共通した関係性は見出せていない現状である。菌株/ウイルスの組み合わせと宿主糸状菌の表現型の規則性を理解できれば、マイコウイルスを活用した糸状菌の機能強化や弱点克服への発展が期待できる。そこで本研究ではアスペルギルスフラバスの複数の菌株からウイルスを探索し、それぞれが宿主糸状菌に与える表現型の変化について並列に評価した。
自然環境中や臨床現場から単離された73株のアスペルギルスフラバス菌株に対してFLDS法(Urayama et al., 2018)によるスクリーニングを行うと、8株からマイコウイルスを検出することができた。これまでに報告のないウイルスも含めて、6種類のウイルス配列の取得に成功した。それぞれの菌株に抗ウイルス薬処理を行うことでウイルスフリー株を取得し、同様のゲノム背景を持つウイルス保有株とウイルスフリー株について生育速度、胞子形成、抗菌活性などの表現型を解析した。これまでの報告と同様に、ほとんどの菌株でウイルスの有無による表現型の変化は観察できなかった。一方で、多くの菌株で二次代謝産物の生産量が変動していること、多数の遺伝子が発現変動していることが明らかとなった。この結果は、マイコウイルスは表面的な変化を与えない場合でも、その細胞活動には大きな影響を与えていることを示唆している。また、発現変動遺伝子は機能未知なものが多かったが、複数の菌株で共通した遺伝子もあり、今後の解析によりウイルスと宿主糸状菌の関係性について新たな見解が得られる可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初計画していた実験についてはほとんどが完了しており、さらなる発展の足がかりとなるような情報を得ることができた。
当初の計画では、2021年度中はウイルスの探索ののちウイルスフリー株を作出しつつ、まずは宿主糸状菌野生株の性状解析やゲノム比較を行う予定であった。しかしウイルスフリー株の作出が想定よりスムーズに進捗したため、野生株(ウイルス保有株)とウイルスフリー株の性状比較に早期に取り組むことができた。それにより二次代謝産生の解析および遺伝子発現解析にも早期に開始でき、ほとんどの菌株については解析が終了している段階にある。一方で、当初の計画にあった色素生産については現在手法を確立中で、解析には至っていない。
また、多様なウイルスをもつ菌株同士の表現型比較を行うことでウイルス種ごとの特徴をつかむことを計画していたが、糸状菌株ごとのゲノム配列の違いが表現型に大きく反映されており、ウイルスごとの共通性を見出すのは困難であることがわかった。この課題を解決するためには、同様の菌株に対するウイルスの影響を観察する必要がある。

Strategy for Future Research Activity

これまでの解析で、表面的な変化がない場合にもマイコウイルスによる二次代謝産生への影響が観察される例が多数あることがわかった。また、それと同時に多くの遺伝子が発現変動しており、表面化しなくとも宿主糸状菌の細胞活動に多大な影響を与えていることが示唆された。そこで、より詳細な表現型解析として薬剤やUVなどのストレス耐性への影響を観察していく。発現変動遺伝子と表現型との関連についても詳細に確認していく予定である。二次代謝産生の抽出、検出もこれまでとは異なる条件で実施し、より多くの化合物の生産についてウイルスの影響を観察していく。
ウイルスごとの特徴をつかむには、同一の菌株に対してウイルスの導入を行い比較する必要があることがわかった。今年度はウイルスフリーの株に対してウイルスドナーからウイルスを転移させ、新しいウイルス保有株を作出する。作成したウイルス保有株の表現型や遺伝子発現を解析することで、宿主ゲノムの違いに影響されることなくウイルス種間の特徴を比較することができる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Aspergillus flavus のアフラトキシン生産を促進するマイコウイルスの発見2022

    • Author(s)
      黒木美沙 , 浦山俊一 , 矢口貴志 , 萩原大祐
    • Organizer
      日本マイコトキシン学会第 87 回学術講演会
  • [Presentation] Mycovirus influences secondary metabolite production in Aspergillus flavus.2022

    • Author(s)
      Misa Kuroki, Syun-ichi Urayama, Takashi Yaguchi, Daisuke Hagiwara
    • Organizer
      31st Fungal Genetics Conference
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] マイコウイルスが Aspergillus flavus の表現型に与える影響の普遍性を解明する2021

    • Author(s)
      黒木美沙 , 浦山俊一 , 矢口貴志 , 萩原大祐
    • Organizer
      第20回糸状菌分子生物学コンファレンス

URL: 

Published: 2022-12-28  

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