2021 Fiscal Year Research-status Report
プレ・プロバイオティクスによる内在性抗炎症物質の産生誘導を介した脳内炎症の抑制
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21K20573
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Research Institution | Shibata Gakuen University |
Principal Investigator |
奥野 海良人 柴田学園大学, 生活創生学部, 准教授 (50623980)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | トリプトファン / キヌレニン / インドール-3-酢酸 / インドール-3-プロピオン酸 / 脳神経疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 脳内炎症モデルマウス作出方法の確立 慢性脳内炎症モデルマウス作出のため、5ヶ月齢のC57BL6雄性マウスに異なる濃度のLPS (100-1000 μg/kg) を1日1回、連続7日間腹腔内投与して適切な濃度条件を検討した結果、500μg/kg/dayが限界用量であることを見出した。
2) 脳内炎症モデルマウスにおけるC60株の死菌体の経口投与が血中トリプトファン代謝物濃度におよぼす影響 予備試験として1)で確立した脳内炎症モデルマウス3匹にC60株を死菌化した溶液(1 x 10^6 cells/mL)を0.2mL、ゾンデ針を用いて2週間経口投与した。投与開始から1週間後からLPSを腹腔投与して脳内炎症を惹起した。その結果、血中、脳中の炎症性サイトカイン(IL-1β)およびトリプトファン代謝物キヌレニン(KYN)レベルを指標として炎症状態を評価した。 その結果、血中IL-1βに関しては低下傾向が認められたが有意差は無く、その他の項目については変化が認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここまでほぼ計画通りに進行しているがポジティブコントロールとなるはずの菌体が想定していた効果を示さなかったため、炎症モデルのLPS濃度を変更、もしくはC60とは異なる乳酸菌株を使う等、若干の見直しが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
ポジティブコントロールとなるはずの菌体が想定していた効果を示さなかった。この原因として炎症が強すぎた可能性が考えられるため、もう少し緩やかな炎症モデル(250μg/kg/day程度)が適当かもしれない。またC60乳酸菌株以外の乳酸菌についても検討予定である。 炎症を抑制する系を確立後に、死菌体株投与、もしくは菌株の腸管定着による血中Trp代謝物濃度の変動をTrp代謝物の血中濃度および、炎症状態を血液と脳組織中の炎症性サイトカイン濃度の測定により評価する。 最後にうつ病モデルマウスを使用してプロバイオティクス、もしくはバイオジェニックスがうつモデルマウスに及ぼす影響を、社会的行動を指標とした行動試験、ならびに血中および脳中サイトカインとTrp代謝物濃度により評価する。
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Causes of Carryover |
購入予定であった消耗品がキャンペーン等により価格が変動した結果、300円程度の差異が生じた。翌年度にはメディウム瓶の蓋や、シリコン栓、ビーカー等の消耗品購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)