2022 Fiscal Year Annual Research Report
Search and functional analysis of factors involved in the high temperature response of rice pollen formation
Project/Area Number |
21K20588
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
提箸 祥幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (20414617)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 水稲 / 温度感受性雄性不稔 / 高温 / 花粉形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球温暖化の進行に伴い、高温障害による作物の稔実率低下の被害が深刻化する傾向にあり、高温条件下でも収量が低下しにくい作物品種の開発が強く求められている。本研究では、花粉形成の温度感受性に着目して、高温条件で花粉形成が阻害される機構の解明を目指す。 温度感受性雄性不稔系統と野生型系統との幼穂の発達段階ごとの穎花を観察したところ、温度感受性雄性不稔系統の高温条件下で見られる葯の異常が、開花期以前の幼穂の発達過程ですでに起きていることを確認した。そこで、開花期以前のどの発達段階の高温処理が葯の異常に関与しているのか、高温処理後の稔実率と穎花の観察を指標として、温度感受性雄性不稔系統の温度感受性期の推定を試みた。 温度感受性雄性不稔系統を用いて、開花前の様々な時期に5~10日程度の高温処理を行ったところ、28℃の場合に平均70%以上だった稔実率が最低で0%まで低下し、高温処理の時期によって稔実率低下の程度に差が認められた。稔実率が低い個体は部分的に葯の色が薄く、形態にも異常が見られ、正常に花粉が形成されていないと考えられる穎花が観察された。稔実率が0%となった個体の高温処理期間について調査したところ、出穂前12日~14日が共通していることが明らかになった。この時期の高温により雄性不稔が誘導されていることが考えられた。 出穂前12日~14日は、文献情報等から減数分裂期を中心とした時期に相当する可能性が考えられる。推定された高温感応期に相当する葯からRNAを抽出し、酵母two-hybrid用のcDNAライブラリーの作製を進めている。
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