2022 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンリモデリング因子DDM1複合体の同定およびトランスポゾン標的機構の解明
Project/Area Number |
21K20628
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越阪部 晃永 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (70632107)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | クロマチン / トランスポゾン / クロマチンリモデリング / ヒストンバリアント / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、トランスポゾン上の抑制型エピゲノム修飾の維持に重要なクロマチンリモデリング因子DDM1を含む複合体を同定し、生化学・分子遺伝学的解析によってDDM1複合体のトランスポゾン認識機構およびトランスポゾン鎮静化の分子機構を明らかにすることである。まず、リコンビナントDDM1を抗原として作製した抗体を用いて、シロイヌナズナ由来の培養細胞から調製した抽出液と混合してDDM1を含む複合体を単離・精製し、質量分析によってDDM1の相互作用因子の網羅的に探索した。その結果、これまでにDDM1との相互作用が報告されていないクロマチン結合因子や機能未知のタンパク質が得られた。次に、得られたDDM1相互作用候補因子のT-DNA挿入型変異植物を20系統取得し、トランスポゾン上のDNAメチル化に対する影響をゲノムワイドに解析した。その結果、多くの変異植物において、DDM1機能喪失植物体で観察されるような大規模な脱メチル化は観察されなかった。このことから、今回の質量分析で同定された因子とDDM1との相互作用はアーティファクトか、もしくは同定された因子が複合体形成を介して協調してDDM1のトランスポゾン特異的な集積に関わることが考えられる。一方で、今回の質量分析で得られた相互作用因子と類似したドメインを有する遺伝子のT-DNA挿入型変異植物を用いて同様の解析を行った結果、トランスポゾン上のメチル化レベルが野生型植物に比べて下がる結果が得られた。 本研究で得られた成果をもとに引き続き多重変異体を用いた解析や試験管内再構成クロマチンを用いた生化学的解析を行うことで、DDM1相互作用因子を介したDDM1のトランスポゾン標的機構およびトランスポゾン鎮静化機構の詳細を明らかにしたい。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] DDM1 silences transposons by deposition of the histone variant H2A.W2023
Author(s)
Akihisa Osakabe, Bhagyshree Jamge, Elin Axelsson, Sean A Montgomery, Svetlana Akimcheva, Annika Luisa Kuehn, Rahul Pisupati, Zdravko J Lorkovic, Ramesh Yelagandula, Tetsuji Kakutani, and Frederic Berger
Organizer
International symposium on chromatin architecture: structure and function
Int'l Joint Research
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