2021 Fiscal Year Annual Research Report
PERKを介した細胞内ストレス適応が肝細胞がん進展に及ぼす影響
Project/Area Number |
21K20660
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
行本 敦 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (60907369)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / PERK / RMRP / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの細胞内環境における重要な因子として小胞体ストレス(ER ストレス)がある。がん細胞ではERストレスの主要分子であるPKR like endoplasmic reticulum kinase(PERK)は活性化していることが知られている。一方、これまで研究代表者らはPERK経路においてlong noncoding RNAであるRMRPが関与することを報告してきた。RMRPはミトコンドリアや核に存在するが、その役割については不明な点も多い。今回、肝がん細胞株において小胞体ストレスをはじめとする細胞内ストレス環境下でのRMRPの役割について検討した。 まず、肝がん細胞株にツニカマイシンを添加して小胞体ストレスを誘導したところ、リアルタイムRT-PCR法、ウエスタンブロット法でPERKの発現は増加しRMRPの発現が抑制された。RMRPをsiRNAによりノックダウンしたところ、ルシフェラーゼアッセイ、ウエスタンブロット法でカスパーゼ 9の活性化がみられた。一方、カスパーゼ 8の活性化はみられなかった。更に、miRNAについても検討した。RMRPと相補的な配列を有するmiR-206の発現はRMRPのノックダウン群で上昇していた。RMRPによるアポトーシス誘導にはカスパーゼ9を介した内因性経路やmicro RNAが関与していた。 次に、RMRPと血管新生因子の関係について検討した。RMRPのノックダウン群ではVEGF、PDGFについてリアルタイムRT-PCR法ではRNA発現量に有意差はみられなかった。 これらの結果よりRMRPの低下は内因性アポトーシスに影響し、血管新生への影響は軽微である可能性が示唆された。RMRPはがん細胞の生存に影響を与えるため、肝細胞がんにおける治療標的となる可能性がある。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] The long noncoding RNA of RMRP is repressed by ER stress and induces apoptosis in hepatocellular carcinoma2021
Author(s)
Yukimoto Atsushi, Watanabe Takao, Okazaki Yuki, Sunago Kotaro, Nakamura Yoshiko, Yohei Koizumi, Yoshida Osamu, Tokumoto Yoshio, Hirooka Masashi, Abe Masanori, Hiasa Yoichi
Organizer
The Liver Meeting of American Association for the Study of Liver disease
Int'l Joint Research
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[Presentation] The Long Non-coding RNA of RMRP is repressed by PERK and induces apoptosis in hepatocellular carcinoma2021
Author(s)
Yukimoto Atsushi, Watanabe Takao, Okazaki Yuki, Sunago Kotaro, Nakamura Yoshiko, Yohei Koizumi, Yoshida Osamu, Tokumoto Yoshio, Hirooka Masashi, Abe Masanori, Hiasa Yoichi
Organizer
The Asian Pacific Association for the Study of the Liver Single Topic Conference
Int'l Joint Research
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