2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of bona fide totipotent cells using lipid droplets as markers and establishment of a long-term culture method
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21K20663
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
古田 明日香 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 助手 (10906647)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | ES細胞 / 全能性細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ES細胞およびiPS細胞は、全ての体細胞および生殖細胞へと分化する能力を有しているが胎盤の細胞に分化することはできない。この「多能性」に対して、初期の着床前胚の細胞は胎盤の細胞を含む全ての細胞へと分化できる「全能性」を有している。しかし、近年ES細胞には、低率であるが、全能性を有する亜集団が存在することが明らかにされている。本研究では、研究代表者がこれまでに明らかにしてきたES細胞に含まれる亜集団の特徴や特性を手がかりに、ES細胞に含まれる真の全能性細胞を同定・可視化する方法を確立し、全能性を保持したまま増殖させることが可能な“全能性幹細胞”を樹立することを目的とした。今年度は、AktによりES細胞から2細胞期様細胞への変換が阻害されるという結果に基づき、Aktの下流でES細胞から2細胞期様細胞への変換を阻害する分子の探索を行った。AktがMDM2のリン酸化を介してES細胞から2細胞期様細胞への変換を促進するp53を抑制する可能性について検証した。その結果、リン酸化を受けないMDM2の存在下でもAktの活性化によりES細胞から2細胞期様細胞への変換が阻害されること、すなわち、AktはMDM2-p53以外の経路を介してES細胞から2細胞期様細胞への変換を抑制することが明らかとなった。さらに、MuERV-L陽性細胞とZscan4陽性細胞の分化能について桑実胚への移植実験委より検討したところ、前者より後者の方が分化能が高い可能性を示した。
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Research Products
(1 results)