2021 Fiscal Year Research-status Report
イネのCa2+依存性プロテインキナーゼ8による抗菌タンパク質分泌制御機構の解明
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21K20664
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
神村 麻友 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 助教 (00749012)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / キナーゼ / 抗菌タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病原細菌に対するイネの免疫反応として、OsCPK8キナーゼが小胞輸送に関与するArfのGDP-GTP交換反応を介して、抗菌タンパク質の分泌を制御するモデルを検証し、これらの制御因子の働きを明らかにすることを目的としている。
本年度は病原細菌(非病原性菌株)接種時の培養上清に抗菌活性が認められるかを明らかにするため、イネ培養細胞の培養上清および、アポプラスト抽出液の抗菌活性を調べた。しかしながら、培養上清およびアポプラスト抽出液や病原細菌の濃度を検討しているが、顕著な抗菌活性が認められる系の構築には至っていない。 また、CPK、Arf-GEF、Arfが免疫反応誘導時の抗菌タンパク質の分泌に関与していることを確認するため、OsCPK8キナーゼ遺伝子についてゲノム編集により欠損株を作製し、ホモ欠損株を得た。さらにRNAi法によりOsCPK8キナーゼ遺伝子発現抑制細胞株を作製し、免疫反応誘導時のトランスクリプトーム解析を行なった。分泌抗菌タンパク質の指標として用いるOsPR遺伝子を選定するため、OsPR遺伝子ファミリーのなかでどのOsPR遺伝子がOsCPK8キナーゼによって発現制御されているのかを明らかにするため、その発現パターンを調べたところ、免疫反応誘導後6時間まででは大きく発現が変動したOsPR遺伝子はなかった。今後はOsPR遺伝子だけでなく、別の分泌抗菌タンパク質をコードする遺伝子ついても解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CPK、Arf-GEF、Arfが免疫反応誘導時の抗菌タンパク質の分泌に関与していることを確認するため、イネ細胞にCPK、Arf-GEF、Arfの阻害剤をそれぞれ添加し、病原細菌(非病原性菌株)接種時の培養上清における抗菌活性が低下することを調べる予定であった。しかしながら、未だ病原細菌(非病原性菌株)接種時の培養上清における抗菌活性を検出できていない。一方で、必要なクローニングや、プラスミドの準備は着々と進んでいるため、総合的に「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
イネ病原性細菌の非病原性細菌株接種時のOsCPK8キナーゼ遺伝子発現抑制細胞株のトランスクリプトーム解析の結果から、発現抑制される分泌タンパク質または分泌予測されるタンパク質をコードする遺伝子をピックアップし、指標とする分泌タンパク質の選定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
CPK、Arf-GEFおよびArfの阻害剤処理による抗菌タンパク質の分泌解析の実験において、病原細菌接種時の抗菌活性が顕著に認められず、条件の設定が予想外に時間を要している。そのために高価な阻害剤を買うに至らなかった。さらに研究代表者の妊娠により、体調が優れず、研究自体が遅延していたため、次年度使用額が生じた。次年度は今年度に作製したプラスミドや欠損株を用いて生化学的な研究を行う予定であるため、試薬等の消耗品や人件費で使用する。
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