2022 Fiscal Year Annual Research Report
小児患者の抗菌薬初期投与設計のアルゴリズムおよびノモグラムの作成
Project/Area Number |
21K20714
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
加藤 秀雄 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00905432)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 抗菌薬投与設計 / 小児患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲンタマイシンが投与された3人の乳児の症例経過を提示し、ゲンタマイシン(GM)の薬物動態と至適投与量について報告した。GMは5.6-7.5 mg/kg/日で投与され、血中トラフ値(Cmin)およびピーク値(Cpeal)は、それぞれ、0.2-1.8 mg/Lおよび8.9 mg/Lであった。9.0 mg/kg/日が投与された患者の Cmin は 3.3 mg/L であり、尿量の減少が認められた。さらに、GMが投与された乳児患者に関する3つの研究をレビューしたところ、2.2~7.5 mg/kg/日が投与された患者の Cmin と Cpeak は、それぞれ 0.58~2.15 mg/L と 4.67~8.88 mg/L で、すべての患者は、有害事象なく、治癒した。7.5 mg/kg/日未満のゲンタマイシン投与量が乳児患者に対して効果的で安全である可能性を示した。 次に、体外式膜型人工肺(ECMO)を施行した乳児患者におけるバンコマイシン(VCM)の薬物動態を報告した。本症例では、VCM の半減期の延長が認められ、ECMO施行中は1日1回投与が適切な投与レジメンである可能性を示した。 本研究では、VCM、アミカシンおよびGMの小児および乳児患者における薬物動態の概要および至適投与法を明らかにした。今後、小児における最適な投与計画を明らかにするには、単施設研究には限界があるため、メタ解析や多施設共同研究を実施する必要がある。
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Research Products
(2 results)