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2021 Fiscal Year Research-status Report

肺炎球菌における多剤排出ポンプの機能解析

Research Project

Project/Area Number 21K20759
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

田口 厚志  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20908686)

Project Period (FY) 2021-08-30 – 2023-03-31
Keywords肺炎球菌 / 薬剤耐性 / 薬剤排出ポンプ / ABC型トランスポーター / 膜輸送体
Outline of Annual Research Achievements

近年抗菌薬が効力を発揮しない薬剤耐性菌の蔓延が臨床現場で大きな問題となっている。細菌の薬剤耐性化に寄与している要因の一つとして薬剤排出ポンプによる抗菌薬の細胞外への排出が知られている。特に大腸菌やサルモネラ菌などのグラム陰性細菌ではRND型ポンプが複数の抗菌薬を排出していることが示されており、分子レベルでの排出機構の解明が進められている。しかし、外膜を持たないグラム陽性細菌はさまざまな薬剤排出ポンプを遺伝子上にコードしているが、その役割については未解明な点が多い。
本申請者は臨床現場において薬剤耐性が問題となっている肺炎球菌の薬剤排出ポンプが抗菌薬への耐性にどのような影響を与えているかを解明するために、各薬剤排出ポンプが過剰発現している変異株ライブラリーを作成することに成功した。本ライブラリーを用いて薬剤感受性試験を行った結果、複数のABC型トランスポーターが薬剤耐性に寄与していることを突き止めた。ヒットとなったABC型トランスポーターには複数の薬剤を排出することが確認されているPatABやバシトラシン耐性に寄与しているBceABのほかに先行研究にはない薬剤排出ポンプも存在した。
今後はこの未知のABC型トランスポーターがどのように抗菌薬を輸送しているのかを解明することを目指す。現在生化学実験を行うためのタンパク質精製に取り組んでおり、精製のプロトコールが完成次第基質輸送の測定アッセイとトランスポーターの構造解析を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の目的であった肺炎球菌薬剤排出ポンプの過剰発現株ライブラリーの作成に成功し、薬剤耐性に関与するABC型トランスポーターの同定を行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画では既知の薬剤排出ポンプPatABの基質認識機構の解明に取り組む予定であったが、薬剤感受性スクリーニングの結果を踏まえ、新たに発見したトランスポーターの基質輸送機構の解明に取り組む。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス蔓延により研究が停滞した前年度に購入した消耗品を本年度活用することができたため。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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