2021 Fiscal Year Research-status Report
Visualization of immune cell-to-cell transmission of SFTS virus
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21K20768
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
宮本 翔 国立感染症研究所, 感染病理部, 研究員 (30881792)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | SFTS virus / B細胞活性化 / 形質芽球 / IL-6 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト体内におけるSFTSウイルスの感染標的となるB細胞は形質芽球に分化しつつある活性化したB細胞である。この標的細胞がどのように誘導されて増殖するのかを理解するために、ヒト末梢血単核球(PBMC)へのSFTSウイルス感染を行い、活性化B細胞が誘導されるかどうかを検証し、その誘導に必要な細胞種や分泌因子を探索した。 PBMCにSFTSウイルスを感染させた結果、特徴的な大型リンパ球の増殖が観察された。免疫染色からこの大型リンパ球はSFTS患者で観察される異型リンパ球と類似した表現型の活性化B細胞であることが分かった。興味深いことに末梢血B細胞のみへのSFTSウイルス感染であっても同様の活性化B細胞が増殖しており、他の血球系の関与なしにも誘導されることが示唆された。ケモカイン・サイトカイン定量の結果から、ウイルス感染単球からは分泌されないB細胞に特異的な分泌因子が存在することが分かった。 末梢血B細胞へのウイルス感染のみで活性化B細胞が増殖することから、その誘導にはSFTSウイルスのB細胞感染が重要であると考えられた。また、B細胞感染によって分泌されるサイトカイン・ケモカインが活性化B細胞の増殖を促すことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SFTSウイルスのB細胞への感染機構を明らかにすることを目的として、PBMCへのin vitro感染でヒト体内における感染標的細胞に近い表現型の活性化B細胞が誘導され、増殖することを明らかとした。ウイルス感染そのものによって感染標的細胞が誘導されることから、その遺伝子発現パターンや誘導阻害実験からB細胞へのウイルス感染成立や増殖に関わる因子の検証が可能となり、より詳細な機構解明の足がかりとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroのSFTSウイルス感染標的細胞誘導系を用いた誘導因子の探索を行う。蛍光ウイルスタンパク質を構築して、B細胞培養系でのウイルス動態の可視化と誘導因子による影響を明らかにすることを目指す。
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Causes of Carryover |
社会的必要性に応じて、新型コロナウイルスの研究・業務を推進する必要があったため、SFTSウイルス研究に関しての研究が制限された。今後の新型コロナウイルスの流行状況にもよるが、SFTSウイルス研究に必要な基盤技術の確立に使用する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Duration of Infectious Virus Shedding by SARS-CoV-2 Omicron Variant?Infected Vaccinees2022
Author(s)
Takahashi K, Ishikane M, Ujiie M, Iwamoto N, Okumura N, Sato T, Nagashima M, Moriya A, Suzuki M, Hojo M, Kanno T, Saito S, Miyamoto S, Ainai A, Tobiume M, Arashiro T, Fujimoto T, Saito T, Yamato M, Suzuki T, Ohmagari N.
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Journal Title
Emerging Infectious Diseases
Volume: 28
Pages: 998~1001
DOI
Peer Reviewed
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