2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K20772
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 貴之 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30911557)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / マクロファージ / 単球 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、我々が新規に同定した、骨損傷部に誘導されるマクロファージサブセットの関節リウマチ等の骨病変への関与を明らかにすることである。我々は、研究期間内に、マウスの関節炎モデルにおいて、骨・関節滑膜に新規マクロファージのサブセットを同定した。フローサイトメトリーを用いて、炎症関節の骨・関節滑膜から、表面抗原においては同様の発現パターンを有するマクロファージサブセットを同定した。フローサイトメトリーで分離しRNAシーケンスを行ったところ、骨内の新規マクロファージは研究代表者がすでに報告したマクロファージと同様の遺伝子発現パターンを示していたが、関節滑膜で同様の表面抗原を発現しているマクロファージとは大きく異なっていた。全般的に骨内のマクロファージと関節滑膜のマクロファージでは、同じ表面抗原を発現していても遺伝子発現パターンが大きく異なっており、組織特異的に別の機能を有していると考えられた。骨内のマクロファージについては、破骨細胞前駆細胞に特徴的な遺伝子発現が見られたが、これまで報告されてきた破骨細胞前駆細胞の表面抗原発現パターンとは多少異なるパターンを有していることが分かった。破骨細胞分化を介して関節リウマチにおける骨びらんや骨委縮に関連している可能性を考え、研究を進めている。ヒトにおいては、関節リウマチ患者の一部において、同様の表面抗原発現が高い単球を有する患者が存在することを同定した。フローサイトメトリーでソーティングしてRNAシーケンスを行った。今後機能解析をすすめ、マウスおよびヒトにおける病態への関与について研究を進める予定である。
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