2021 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチにおけるCD38誘導性T細胞疲弊の重要性の検討
Project/Area Number |
21K20775
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
勝山 惠理 岡山大学, 保健学域, 准教授 (10911993)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / T 細胞 / リンパ球 / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチは、関節だけでなく肺、血管などの内臓臓器にも障害をおこす、全身性の自己免疫疾患としても知られている。しかし関節リウマチの病態はいまだ完全に明らかではない。また、生物学的製剤による治療によって予後は大きく改善したが、いまだ様々な治療に抵抗性の関節リウマチも存在している。本研究では、この既存治療に抵抗性の関節リウマチの病態として、T細胞疲弊がどのように関与しているかを明らかにすることを目的としている。 今年度は、関節リウマチを発症した患者血液を回収し、末梢血単核球を分離・保存している。また、フローサイトメトリーにて各種マーカーの解析を開始しており、今後は検体数をさらに増やし、サイトカイン・代謝などの細胞機能解析を行う。関節炎モデルマウスにおいては、KRNマウスとNODマウスを交配させることで得られるK/BxN血清を回収・保存を行った。また一部のマウスに血清を投与し、関節炎発症後の関節検体を回収している。今後は検体数を増やし、免疫染色を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KRNマウスとNODマウスを交配させることで得られるK/BxN血清をB6マウスに移入し、関節炎を誘導すモデルを使用予定だが、NODマウスの高齢化により再購入など行い、血清回収に時間を要している。ヒト患者検体においては、さまざまな治療バックグラウンドをもつ滑膜を十分なサンプル数を回収するまでにしばらく時間を要すると考える。ヒト滑膜を今後は回収予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
関節リウマチ患者さんの末梢血由来T細胞を解析中であり、各種表面マーカーと疾患活動性、治療による発現の変化について今後検討していく。現在バイオバンクへの検体ストックをすすめている。また、関節リウマチの手術検体についても回収を継続する。 関節炎モデルとしては、引き続きKRNマウスとNODマウスを交配させることで得られるK/BxN血清をB6マウスに移入し、関節炎を誘導する。現在相当量の血清を回収できており、今後関節炎モデルの実験が可能と考える。今年度はこのモデルでの脾臓T細胞と関節組織の解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は、ヒト検体、マウス検体からの検体処理、細胞解析のために、フローサイトメトリー、ウエスタンブロット、免疫染色、細胞分離試薬などにおいて引き続き試薬の購入が必要である。また、組織処理のために共同実験室を有料で使用する。特に使用する抗体の種類が多いため、主に試薬購入に助成金を使用する予定である。
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