2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of functional significance of ZNF395 downregulation and development of novel therapeutic strategy for pancreatic ductal adenocarcinoma.
Project/Area Number |
21K20779
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
黒木 秀作 大分大学, 医学部, 技術専門職員 (50905213)
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Project Period (FY) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | ZNF395 / 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は5年生存率が10%未満であり、最も予後不良な癌腫である。この極めて厳しい現状を打破するためには、今までにない革新的な治療法の開発が求められる。私のこれまでの研究において、膵上皮内癌が浸潤癌へと進展する際に、8p欠失に伴ってZNF395の発現が低下していることを見出し、ZNF395の発現低下は細胞周期の脱制御を介して細胞増殖能を亢進させることを明らかにした。そこで本研究では、ZNF395の詳細な機能的意義の解明を目的とし、マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析によるZNF395関連シグナル経路の同定を試みた。昨年度までの研究において、ドキシサイクリン誘導性にZNF395を発現する膵癌細胞株を用いて、ZNF395発現誘導前と誘導12時間後のRNAを回収し、網羅的遺伝子発現解析を施行した。そして、ZNF395発現誘導により発現が4倍増加した遺伝子を10遺伝子抽出した。今年度は、さらに短時間での発現変動に着目するため、ZNF395発現誘導前と誘導6時間後のRNAを用いて同様に解析し、11遺伝子を抽出した。これらのうちZNF395発現誘導6時間後と12時間後で共通して発現増加している遺伝子は2遺伝子(NDRG1、ARMCX6)であった。また、抽出された19遺伝子について、リアルタイムPCR法によりバリデーションを実施し、ZNF395発現誘導によって発現が増加している遺伝子を4遺伝子(NDRG1、ARMCX6、DDIT4、ERCC5)同定した。これらのうちNDRG1は膵癌の浸潤、増殖、血管新生を抑制することや、大腸癌の転移を抑制すること、DDIT4はmTORパスウェイを抑制して癌細胞の増殖を抑制することが報告されている。今後は、これらの遺伝子とZNF395の関連性をさらに詳細に解析し、膵癌の新たな治療戦略としての可能性を検証していきたい。
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Research Products
(3 results)